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雑誌での連載開始から今年で30…

 雑誌での連載開始から今年で30年になる。借金取り立ての舞台裏を描いた漫画「ナニワ金融道」である。作者の青木雄二さんは津山工高を卒業し、神戸の私鉄や古里の岡山県久米南町役場に勤めた後、大阪でキャバレーなど30もの職を転々とした。一時経営したデザイン会社も畳んだ▼漫画を描こうと思ったのは、そうした中でひどいむちゃがまかり通っていたからだという。不動産の持ち主になりすまして担保にしたり、言葉巧みに保証人にした知人に返済の責任を押しつけたり、さまざまな手口を描いた▼2003年に58歳で急逝した漫画家が、腹が立つことの筆頭に挙げたのは「ゼニが大好きな政治家たち」だ。“献金”との名目の賄賂で私腹を肥やしている―と、自著「ゼニの人間学」で憤っている▼今回も腹が立って仕方がなかろう。カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業を巡る汚職事件はどこまで解明されるのか▼IR担当の内閣府副大臣だった衆院議員秋元司容疑者がおととい、再逮捕された。本人は否認するが、収賄額はさらに膨らんだ。贈賄側の中国企業は他に5人の国会議員に現金を渡したとされる▼「大量のゼニがからんだところには、かならず裏の世界ができあがる」と、青木さんは記す。政府はIRの準備を急ぐものの、対策を講じなければ国民に理解されまい。

(2020年01月16日 08時00分 更新)

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