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豪雨被災の文化財 初めて所有者に 岡山史料ネット、1年かけ修復

修復した屏風絵を富岡さん(左から3人目)に見せる東野講師(左)
修復した屏風絵を富岡さん(左から3人目)に見せる東野講師(左)
 西日本豪雨で被災した文化財のレスキュー活動に取り組むボランティア団体「岡山史料ネット」は15日、修復を終えた屏風(びょうぶ)絵を所有者の富岡理弘さん(81)=倉敷市真備町=に返還した。同ネットが修復した被災資料が持ち主に戻ったのは初めて。

 富岡さん宅は、豪雨で木造2階の1階天井まで浸水。敷地内の蔵にあった六曲一隻の屏風は泥水に漬かってしまい、知人を介して同ネットが預かった。枠からはがした6枚全てに泥や汚物が付着しており、これらを丁寧に取り除いた後、再びつなぎ合わせるなど約1年かけて作業した。

 この日、同ネット運営委員の東野将伸岡山大大学院講師ら3人が訪れ、東野講師が屏風絵について「江戸時代に一帯を治めた岡田藩の藩士・佐野直の作品」と判明したことを説明。修復された絵は、描かれている人物やスズメ、クジャクなどがはっきりと分かるほど復元したという。富岡さんは「こんなにきれいになるとは思わなかった。捨てなくて良かった」と感謝する。

 同ネットには、千点以上の文化財・資料が寄せられており、3分の2程度で修復を終えた。目録の作成などを行ってから返還していく予定で、東野講師は「被災した資料そのものが災害の記憶であり、地域の歴史。きっちりと記録に残していきたい」と話している。

(2020年01月15日 23時13分 更新)

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