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成人の日 新たな時代切り開く力に

 きょうは「成人の日」。岡山県内などで、きのう門出の式典が行われた。人生の新たな段階へ歩を進めた皆さんを心よりお祝いしたい。

 全国で昨年20歳を迎えた新成人は約122万人となった。岡山県では、ほぼ全市町村が本年度中に20歳になる人を成人式の対象としており、今年は1999~2000年に生まれた約2万人が大人の仲間入りを果たした。

 小学3年の年にスマートフォンの「iPhone(アイフォーン)」が国内で発売され、フェイスブックやツイッターなどインターネットを介して交流するSNS(会員制交流サイト)の普及とともに育った世代である。

 18年の総務省調査によるとスマホを持つ人は6割を超えた。特に若い世代ほど日々の生活に欠かせないとされ、SNSを積極的に利用しているのも若年層だ。

 その影響力は極めて大きい。昨年は香港で、反政府デモがSNSを通じて広がったり、10代の環境活動家の声が世界中に拡散したりするなど、地域や国境を超えて人々をつなぐことを改めて示した。瀬戸内国際芸術祭などでも国内外のファンを呼び込むことに大いに貢献した。

 もちろんネット依存や、出会い系サイトから犯罪に巻き込まれる危険といった負の側面には細心の注意が必要だ。一方で、情報の発信や共有(シェア)にたけた世代が増えることで、社会が大きく変革していく可能性がある。

 日本の人口は08年をピークに減少局面に入っており、新成人だけでも昨年より約3万人少ない。少子高齢化が加速する中、とりわけ労働力人口の減少が深刻な地方では、いかに地域の先細りを防ぐかが重い課題となっている。

 地球温暖化など国際的な問題も山積する。誰も経験したことのないこうした事態は、旧来の発想や手法だけでは乗り越えられまい。新成人には新しい時代を切り開く推進役となるよう期待したい。

 例えば17年版情報通信白書では、若い年代ほど現実生活においても他人と物をシェアすることに抵抗が少ないと指摘している。カーシェアやシェアハウス、個人間で物を売買するフリマアプリなどが珍しくなくなっている。大量生産・大量消費の図式が変わることで新たなビジネスチャンスなども生まれよう。

 内閣府の18年度の調査では、諸外国に比べ日本の若者は自尊感情が低いものの、他者との関係の中で「役に立てる」かが自分への満足感に強く関連していると分かった。

 被災地でのボランティア活動や課題に向き合う社会起業家なども増えている。ITの進歩により、都市圏に拠点を置く必要性も薄れている。地方の活力を保っていくためには、やりがいを育て、人や地域とのつながりを感じられる環境づくり、さらには子育て支援などに社会の側が取り組んでいくことが大切だ。

(2020年01月13日 08時00分 更新)

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