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五輪・パラ大会 スポーツの力示す祭典に

 東京五輪まで200日を切った。パラリンピックとともに、世界中のアスリートが日本に集う「平和の祭典」が幕を開ける。先月には列島各地を回る聖火リレーのランナーが発表された。56年ぶりの自国開催を大いに盛り上げ、楽しみたい。

 昨年はスポーツの力を改めて感じた年だった。「ONE TEAM(ワンチーム)」で団結と多様性を示したラグビー・ワールドカップの日本代表や、女子ゴルフ界に彗星(すいせい)のごとく現れて海外メジャーを制覇した渋野日向子選手(岡山市出身)の活躍が、日本中を沸かせた。それらを上回る空前の熱気と興奮に包まれるのではないか。

 郷土ゆかりの選手に期待がかかる。五輪の岡山勢は、女子マラソンの前田穂南、柔道女子の素根輝両選手が代表を決めた。女子マラソンでは小原怜選手も切符をつかむ可能性がある。ライフル射撃の岡田直也、馬術の原田喜市両選手も前回大会に続いて出場を目指す。

 世界ランキング11位の渋野選手の出場も濃厚だ。「金メダルを獲得したい」と高い目標を掲げている。女子のバレーボールやハンドボール、ソフトボールの団体競技にも有力メンバーがそろう。代表選考を勝ち抜き、夢の舞台で戦ってもらいたい。

 パラリンピックは、車いす陸上の佐藤友祈選手が岡山勢の代表第1号。前回は2種目で銀となっており、頂点に挑む。同陸上や卓球、カヌーなどで選手が競い合っている。

 施設整備も順調に進んでいるようだ。完成したメインスタジアムとなる国立競技場は木と緑にあふれる「杜(もり)のスタジアム」をコンセプトに、日本の伝統建築など「和」の要素を取り入れた。

 運営面の準備が成功の鍵を握るのは間違いない。1万人を超えるとされる選手や関係者の移動、周辺道路の渋滞対策をはじめ、心配される猛暑対策や急増する訪日外国人への対応などに抜かりがあってはならない。昨秋には暑さを理由にマラソンと競歩の会場が札幌市に異例の変更となる混乱があった。

 全国では500近い自治体が、海外選手を地元に迎え入れて交流するホストタウンになっている。大会組織委員会や各自治体は万全を尽くしてほしい。

 五輪とパラリンピックを弾みとして、地域のスポーツも大いに元気になるはずだ。競技力の向上だけでなく、裾野を広げ、生涯スポーツや障害者スポーツの環境を整えていくことも重要である。

 世界の人々や文化に接し、多様な価値観を受け入れる社会に目を開くことも大切なテーマであろう。誰もが分け隔てなく暮らせる「共生社会」の実現に向け、節目となるものにしていきたい。

(2020年01月08日 08時00分 更新)

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