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被災地に自宅再建8割超 仮設の退去者、復興を裏付け

被災時の場所に自宅の再建が相次ぐ倉敷市真備町地区=昨年12月29日
被災時の場所に自宅の再建が相次ぐ倉敷市真備町地区=昨年12月29日
被災地に自宅再建8割超 仮設の退去者、復興を裏付け
 西日本豪雨の被災者が暮らす仮設住宅を退去した岡山県内の約1500世帯のうち、8割超が被災時の居住地に自宅を再建していたことが、県などの集計で分かった。地域再生には住民の帰還が欠かせないだけに、復興が進みつつあることが裏付けられたといえる。とはいえ、仮設住宅には2千世帯が残っており、継続支援が求められている。

 仮設住宅を所管する県と倉敷、総社市が退去時に転居先を聞き取り集計した。昨年11月末までに仮設住宅を退去したのは、自治体が民間住宅を借り上げる「みなし仮設住宅」で1415世帯、倉敷、総社市の計8カ所にある「建設型仮設住宅」で118世帯に上り、浸水被害が深刻だった倉敷市真備町地区の被災世帯が約9割を占めている。

 集計によると、「被災時の場所に自宅を再建」と回答したのは83・9%。次いで「新たな場所に自宅を再建」が8・5%、「他の民間賃貸住宅に転居」が3・3%、「親族らの住宅へ同居」が1・7%―などと続いている。

 県が昨年8月にまとめた仮設住宅の入居者調査(有効回答2252世帯)では、93・3%が被災時の市町に住みたいと回答しており、今のところ退去世帯の多くが意向通り地元に戻っていることがうかがえる。

 昨夏に岡山市内のみなし仮設住宅を離れ、再建した真備町の自宅へ戻った男性(72)は、再び被災する怖さが拭えず町外へ移るか思い悩んだとしつつ、「やはり住み慣れた古里への愛着は強い」と打ち明ける。

 一方で退去世帯の1・3倍に当たる2千世帯(昨年12月17日現在)が仮設住宅で暮らす。再建のめどが立たなかったり、被災地に戻ることに不安を感じたりして身の振り方を決めかねている世帯が多く残っているとみられ、今後も地元での自宅再建がこれまで同様に進むかは不透明な部分がある。

 県被災者生活支援室は「被災世帯が古里へ順調に戻れている印象だが、これからが肝心。戻りたい人が安心して戻れるよう、きめ細かい支援を継続していきたい」としている。

(2020年01月04日 20時02分 更新)

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