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鮮魚運んだ「とと道」を特定 トレイル推進協のガイド本完成

とと道の全行程を紹介したガイドブック
とと道の全行程を紹介したガイドブック
 かつて笠岡市金浦の魚市場から高梁市吹屋地区へ鮮魚を運んだ魚荷道「とと道」の全行程を掲載したガイドブックが完成した。備中地域の歴史愛好家団体でつくる「備中・とと道トレイル推進協議会」が地域住民に聞き取るなどしてルートを特定。とと道の詳細な地図に加え、歩いた際の所要時間などを記している。

 同協議会によると、とと道は明治期に「魚仲士(うおなかせ)」と呼ばれる運搬役が、銅の生産で繁栄した吹屋地区に新鮮なサワラやブリを運ぶ際に利用。笠岡から矢掛、美星、成羽を経由し、全行程は約60キロに及ぶ。魚の鮮度を保つためほぼ直線で結ばれており、魚仲士は急な山道などをリレー方式で約12時間かけて送り届けたという。

 記述が残る文献は旧美星町史などわずかで、具体的な行程は知られていなかった。約10年前に笠岡市の郷土史家が調べ始め、2017年の協議会発足後は各団体が連携して調査に乗り出した。それぞれ分担する区間を決めて地元の古老に当時の話を聞いたり、情報を基に草で覆われた道を切り開いてルートを探ったりして、昨年11月に全行程を確認した。

 ガイドブックでは、とと道を「金浦―小田」「小田―美星」「美星―成羽」「成羽―吹屋」の4区間に分けて紹介。ルートを記入した地図や歩いた場合にかかる時間のほか魚市場跡、魚荷を次の魚仲士に受け渡した引き継ぎ所跡、方向を示す石の道しるべなどを写真付きで掲載している。

 同協議会の森山上志代表(83)は「道中の旧跡も載せており、参考にして歩いてもらえれば地域の歴史に関心も深まるはず」と話している。

 A4判、48ページ。300部製作し、希望者に千円で提供している。問い合わせは同協議会事務局(0866―83―0001)。

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 備中・とと道トレイル推進協議会は19日、「備中・とと道トレイル トライアルウォーク」を開催する。午前8時40分、笠岡市金浦の魚市場跡に集合。高梁市成羽町下原、成羽美術館までの約45キロをバス移動しながら歩く。参加費3千円。

(2020年01月05日 16時09分 更新)

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