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五輪・パラ事前キャンプ9件決定 岡山県内、受け入れ準備進む

岡山市内で強化合宿に励むパラ・パワーリフティングの台湾女子代表選手=昨年12月
岡山市内で強化合宿に励むパラ・パワーリフティングの台湾女子代表選手=昨年12月
五輪・パラ事前キャンプ9件決定 岡山県内、受け入れ準備進む
 2020年は東京五輪・パラリンピックイヤー。岡山県内では事前キャンプの誘致が相次ぎ、パラ競技を含めて岡山市で8件、倉敷市で1件が決定している。練習やサポートの環境などが評価された形だが、チームの体制やキャンプの期間が直前まで決まらないケースも想定されるため、受け入れ側は柔軟に対応できるよう準備を進めている。

 「いろいろな設備が整っており、素晴らしい」。19年12月中旬、岡山商科大ウエートトレーニング場(岡山市北区津島京町)で強化合宿に励んだパラ・パワーリフティング台湾女子代表のリン・ヤー・シュエン選手(43)が笑顔を見せた。

 合宿中に、シュエン選手は台湾側の代表として県や岡山市、同大などと事前キャンプ実施に関する協定を締結。トレーニング場には、地元のロータリークラブや高校生が製作に尽力したベンチプレス台があり、官民一体の練習環境整備が誘致につながった。

大学、高校も協力

 事前キャンプは、本番直前の仕上げとして各国の選手が時差や気候に慣れるために行う。県は誘致の前段階として16年度から、市町村と連携して強化合宿の受け入れに力を入れ、これまでに38件の実績がある。事前キャンプが決まった9件は全て県内で強化合宿を経験しており、そのときの環境が高く評価された格好だ。

 県と岡山市は、それぞれ各国を訪ねて直接働き掛けるなど相互補完してきた。同市は交通の便の良い市街地に設備の整ったジップアリーナ岡山などを抱えるほか、大学、高校も練習会場の提供に進んで協力。バレーボールに関しては、トップリーグで活躍する岡山シーガルズが練習相手を務める態勢が大きかったという。

 強化合宿中は、食事や移動手段など海外チームから出される要望に可能な限り応えることで信頼を得た。市スポーツ振興課は「オール岡山で誘致できた」とする。

優先使用へ調整

 東京五輪は7月24日、パラリンピックは8月25日にそれぞれ開会式が開かれる。出場国や選手の詳細が固まるのは開会が近づいたころになるため、事前キャンプを受け入れる自治体側は現時点で要望の内容を十分把握できず、複数国の日程が重なる可能性も想定しなければならない。

 さまざまなケースへの対応として、県は、事前キャンプの時期は主要な練習会場を優先的に使えるよう競技団体との調整を始め、岡山、倉敷市は宿泊先や通訳、移動手段などの確保に向けて動き始めた。重量挙げのニュージーランド代表を受け入れる倉敷市の担当者は「同代表は2度、市内で強化合宿しており、ノウハウを生かしたい」という。

 両市のほか美作、赤磐市なども相手国と事前キャンプの誘致に向けた協議を進めており、県内の件数はさらに増える可能性がある。県スポーツ振興課の山口徹尚課長は「選手が最適な環境で準備でき、東京に送り出せるよう万全を期したい」と話す。

(2020年01月03日 13時14分 更新)

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