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日本画家・酒井さん、院展に新作 京都から移住、地域のタンク描く

「いずれアトリエを改修し絵画教室も開きたい」と話す酒井さん
「いずれアトリエを改修し絵画教室も開きたい」と話す酒井さん
酒井龍一「或るタンク」
酒井龍一「或るタンク」
 昨年、京都市から瀬戸内市に移住した気鋭の日本画家酒井龍一さん(35)=佐賀県出身=の新作が、2日に開幕する「院展」岡山会場で披露される。これまで人物や自然中心だった題材を一変させ、地域にある古びたタンクを描いた意欲作。所属していた画廊の閉鎖で絵の世界を一時離れた経験も糧に、一段の飛躍を期す。
 
 酒井さんは尾道大(現尾道市立大)在学時に、教授で日本美術院同人の今井珠泉さんに師事。2008年に同大大学院を修了後、京都の画廊に誘われ所属作家になったが、画廊は12年に閉鎖され、アトリエも失った。結婚を控えており、印刷会社に就職し、絵筆を置いた。

 再び絵に向き合ったきっかけは、妻で画家の炭田紗季さん(34)。岡山県が若手美術家に贈る「I氏賞」大賞を受賞し、創作に励む妻の姿に刺激を受けた。深夜に及ぶ仕事の傍ら、自宅の3畳ほどのスペースで描き上げた緻密な山水画は17年の院展で入選した。

 昨年1月、炭田さんの故郷・瀬戸内市に居を移し、「建物がひしめく京都の街中では気が付かなかったものに目が向くようになった」。今回の出品作「或るタンク」は自宅近くで見掛けた題材。身内が営む木工所の広々とした空間で思い切り絵筆を振るい、3度目の入選を果たした。

 「院展はすごい先生方の作品が集まる舞台。岡山で研さんを積み、成長していきたい」

 院展岡山会場は15日まで、天満屋岡山店(岡山市北区表町)で開かれる。

(2020年01月01日 17時37分 更新)

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