山陽新聞デジタル|さんデジ

2019岡山県内十大ニュース

ゴルフの全英女子オープンで日本選手として42年ぶりのメジャー制覇を果たして帰国し、記者会見する渋野日向子選手=8月6日、羽田空港
ゴルフの全英女子オープンで日本選手として42年ぶりのメジャー制覇を果たして帰国し、記者会見する渋野日向子選手=8月6日、羽田空港
運航最終日、多くの人たちが見送る中、出発するフェリー=12月15日、宇野港
運航最終日、多くの人たちが見送る中、出発するフェリー=12月15日、宇野港
MGC女子でトップでゴールする前田穂南選手=9月15日、東京・明治神宮外苑
MGC女子でトップでゴールする前田穂南選手=9月15日、東京・明治神宮外苑
明誠学院高書道部の生徒がしたためた「令和」の文字=5月1日、岡山市・表町商店街
明誠学院高書道部の生徒がしたためた「令和」の文字=5月1日、岡山市・表町商店街
認知症や感染症対策について協議したG20保健相会合=10月19日、岡山市
認知症や感染症対策について協議したG20保健相会合=10月19日、岡山市
岡山芸術交流の先鋭的な作品に首をひねりながら楽しむ鑑賞者=11月、旧内山下小
岡山芸術交流の先鋭的な作品に首をひねりながら楽しむ鑑賞者=11月、旧内山下小
西日本豪雨から1年を迎え、倉敷市の追悼式で献花する参列者=7月6日、同市真備町箭田の市真備支所
西日本豪雨から1年を迎え、倉敷市の追悼式で献花する参列者=7月6日、同市真備町箭田の市真備支所
地域の在り方を問うた県議選の開票作業=4月7日、倉敷市
地域の在り方を問うた県議選の開票作業=4月7日、倉敷市
完成記念式典で公開された「せいめい」=2月20日、京都大付属岡山天文台
完成記念式典で公開された「せいめい」=2月20日、京都大付属岡山天文台
再選を果たし、万歳する石井氏(中央)=7月21日、岡山市
再選を果たし、万歳する石井氏(中央)=7月21日、岡山市
 「平成」から「令和」へと新しい時代の幕が開けた2019年。岡山市出身の渋野日向子選手がゴルフのAIG全英女子オープンで優勝し、ニューヒロインの誕生に県内が湧いた。来夏に開幕を控えた東京五輪には、マラソンで地元天満屋の前田穂南選手らの出場が決定。その一方で、明治時代から人々の往来や物流を支えてきた宇高航路が休止となり、使命を終えた。山陽新聞社が選定した県内十大ニュースで1年を振り返る。

「回顧2019」はこちら

【1】女子ゴルフ渋野日向子 全英女子制覇

 ツアー本格参戦1年目の“新人”が国内外に衝撃を与えた。

 渋野日向子選手(21)=RSK山陽放送=が8月、ゴルフのAIG全英女子オープンを制覇。日本勢42年ぶり2人目となる海外メジャー優勝を成し遂げ、ゴルフ史に金字塔を打ち立てた。

 重圧のかかる場面でも笑みを絶やさず、初の海外試合にも臆することがなかった。強いタッチでねじ込んだ5メートル超のウイニングパットをはじめ、4日間貫き通した果敢なプレーで世界中を魅了。ラウンド中にギャラリーと積極的に交流したり、駄菓子を頬張ったりする姿も話題を呼んだ。

 国内でも初優勝を飾った5月の四大大会を含め4勝を挙げ、賞金ランキングは2位。最終戦まで女王争いに絡み、百花繚乱(りょうらん)の女子ゴルフ界でシーズンを通して主役を張り続けた。愛称の「スマイリングシンデレラ/しぶこ」は今年の新語・流行語大賞でトップテン入り、スポーツの枠を超えた旋風を列島に巻き起こした。

 躍進の1年を経て2020年、ニューヒロインは東京五輪で金メダルに挑む。

【2】宇高航路休止 109年の歴史に幕

 玉野市の宇野港と高松港を結ぶ宇高航路が12月15日、109年の歴史の幕を閉じた。唯一運航していた四国急行フェリー(高松市)が、瀬戸大橋の通行料金値下げの影響を受けて利用者の減少に歯止めがかからないとして休止を決断した。

 運航最終日は両港に乗客と車の行列ができ、往時のにぎわいをしのばせた。船上では家族連れらが瀬戸内海の景色や名物のうどんを堪能し、岸壁では地元住民らが写真に収めるなど名残を惜しんだ。午後7時50分、最終便が高松港をゆっくり出港すると「ありがとう」「お疲れさま」の声が飛び交った。

 1910(明治43)年、国鉄連絡船の就航に伴い開設された宇高航路。戦後、民間のフェリーが参入し、87年度の利用者数は約400万人に上るなど市民生活や産業発展の大動脈として存在感を発揮した。

 ところが88年の瀬戸大橋開通で人、モノの流れが変わり、2018年度は約14万人にまで減少。岡山、香川県、玉野、高松市は存続に向けた財政支援を見送ることを決め、令和の始まりとともに役目を終えた。

【3】岡山勢3選手が東京五輪・パラ切符 前田(天満屋)MGC優勝

 東京五輪・パラリンピック代表に岡山勢3選手が決まった。

 9月15日、花形種目の切符を懸けたマラソングランドチャンピオンシップ(MGC、東京)女子で頂点に立ったのが、天満屋の前田穂南選手だ。過去に4選手を五輪マラソンへ送り出した名門で力を付けた23歳は、MGCで2位に4分近い大差を付ける独走劇を見せ圧勝。全競技を通じ岡山勢第1号の東京五輪代表となった。

 日本の“お家芸”柔道でもニューヒロインが誕生した。今春に環太平洋大へ進学した19歳、女子78キロ超級の素根輝選手は8月の世界選手権、11月のグランドスラム大阪大会を相次いで制し、代表に選ばれた。

 車いす陸上の佐藤友祈選手(30)=グロップサンセリテWORLD―AC=は11月の世界選手権で2冠。2大会連続のパラリンピック出場を決めた。

【4】新天皇即位 令和スタート 県内も祝賀ムード

 新時代到来―。5月1日、新しい元号「令和」の時代が幕を開け、県内でも祝賀ムードが広がった。

 「大安」と重なったこの日、ホテルや式場では結婚式が相次ぎ、新婚夫婦が歴史的な日に新たな一歩を踏み出した。各地で婚姻届を提出したカップルに記念品などがプレゼントされ、岡山市が設けた岡山城の特別窓口では約260組が手続きをした。

 県庁やJR岡山駅前には新天皇即位を祝う懸垂幕がお目見え。百貨店やスーパーは買い物客に記念品を贈った。表町商店街(同市)では高校生による書道パフォーマンスもあり、力強い「令和」の文字がしたためられた。

 産婦人科にはこの日生まれた「令和ベビー」の元気な産声も。改元を祝う記念列車の運行やだんじり、千歳楽の練り歩きも行われ、新時代のスタートに彩りを添えた。

【5】岡山市でG20保健相会合

 10月19、20日、岡山市を舞台に20カ国・地域(G20)保健相会合が開かれた。県内での国際閣僚会議は2016年に倉敷市で開かれた先進7カ国(G7)教育相会合以来。スタッフや国際機関関係者らを含め約500人が訪れ、岡山から保健・医療・福祉のあるべき姿を発信した。

 主要テーマとなったのは、各国共通の課題である高齢化や感染症対策、誰もが負担可能な費用で保健医療サービスを受けられる仕組みづくりなど。認知症への理解促進や治療研究、新薬開発支援など知見を結集した52項目の対策は「岡山宣言」としてまとめられた。

 会合に合わせ、岡山市なども保健・医療の将来像を描いた「ポジティブヘルス岡山」を発表した。会合を一つのレガシー(政治的遺産)として、今後の施策にいかに反映し、先進性を磨いていくかが問われる。

【6】3年ぶりの岡山芸術交流、瀬戸芸にぎわう

 岡山市中心部で3年ぶり2回目の現代アートの国際展「岡山芸術交流」(岡山市などでつくる実行委主催)が9月27日~11月24日に開かれた。参加した18作家は全員外国人で、AI(人工知能)や環境、人種問題を扱う先鋭的な作品は「難解」と戸惑う市民も多かったが、国内外の熱心なアートファンには支持された。初回(約23万人)を大幅に上回る延べ約31万人が訪れた。

 会期を一部重ね、広報協力し合った瀬戸内国際芸術祭(香川県などでつくる実行委主催)も3年ぶり4回目の開催で、過去最高の延べ約118万人を動員した。アジアを中心に国外での認知度が上がったことが要因。岡山側の会場となった岡山市・犬島や玉野市・宇野港は多くの外国人観光客でにぎわい、岡山芸術交流とはしごする人も見られた。

【7】西日本豪雨からの復興続く

 県内に戦後最大級の水害をもたらした昨年7月の西日本豪雨。発生から1年を迎えた7月6日、倉敷、総社市でそれぞれ市主催の追悼式が営まれた。今も家屋の解体・撤去、店舗再開など復興に向けた取り組みが続く一方、約2千世帯5千人が仮設住宅での生活を強いられ、被災後の体調悪化で亡くなる災害関連死も相次いでいる。

 こうした中、9月3日には新見市内が局地的豪雨に見舞われた。JR新見駅近くの雨量計が累計165ミリを記録。重傷1人、住宅は全壊3棟、半壊12棟、浸水被害が265棟に上った。3カ月余りが過ぎ、市内では家屋の解体や修繕が進む。

【8】統一地方選 復興など争点に舌戦

 第19回統一地方選は前半戦の県議選と岡山市議選が4月7日、後半戦の津山、玉野など5市町村議選が同21日に投開票され、地域の4年間を託す議員の顔ぶれが決まった。

 選挙戦では、西日本豪雨からの復興や人口減少対策などが争点とされた。参院選と重なる12年に1度の巡り合わせで、政党勢力の行方も注目された。

 県議選は自公が基盤を固めた一方、野党系は現職3人が落選するなどもろさを露呈。相次ぐ無投票で選択の機会が失われ、投票率も過去最低に沈んだことで、政党・候補者と有権者の双方が課題を背負う結果となった。

【9】望遠鏡「せいめい」が稼働

 京都大付属岡山天文台(浅口市鴨方町本庄)に整備されたアジア最大級の口径3・8メートル光学赤外線反射望遠鏡「せいめい」が3月から本格的な観測をスタートさせた。

 せいめいは扇形の鏡18枚を並べて一つの「主鏡」とする分割鏡方式を国内で初採用。一般的な4メートル級望遠鏡の5分の1程度(約20トン)と軽いため動きが速く、短時間で起きる天体爆発現象の解明に期待がかかる。

 望遠鏡の開発とドーム建設などを合わせた総事業費は約15億円。本格稼働を前に完成記念式典が2月20日、現地で行われ、テープカットなどで祝った。

【10】参院選 自民が県内独占維持

 安倍政権の評価を最大の争点とした第25回参院選は7月21日、投開票された。改選数1の岡山選挙区は自民現職の石井正弘氏が再選を果たし、自民が県内の衆参7選挙区を独占する状態を維持した。

 連立を組む公明からも支援を受けた石井氏に対し、主要野党は立憲民主新人の原田謙介氏に一本化。2016年に続いて事実上の与野党一騎打ちとなったが、石井氏が41万票余りを得て圧勝した。

 一方、全国では諸派で臨んだ「NHKから国民を守る党」や「れいわ新選組」が比例の議席を獲得。既存政党に対する有権者の不満をうかがわせた。

(2019年12月29日 05時00分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ