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岡山のお化けの実情は? 1月25日「民俗と妖怪」シンポ

すねこすり(手前中央)など岡山県内で伝承が残る妖怪たち
すねこすり(手前中央)など岡山県内で伝承が残る妖怪たち
木下浩さん
木下浩さん
 「民俗と妖怪をテーマに来年、岡山市でシンポジウムが開かれる」と知り、主催団体の一つ岡山民俗学会の木下浩理事(52)を訪ねた。木下さんは民間信仰が専門で、岡山県内の言い伝えなどを基に、妖怪やお化けについて研究している博士だ。県内のお化けの実情やシンポについて聞いた。

 木下さんによると、県内には鬼、天狗(てんぐ)、河童(かっぱ)など有名どころの妖怪は、ほぼ伝承が存在する。漫画「ゲゲゲの鬼太郎」に出てくる砂かけ婆(ばばあ)の話もあるそうだ。全域に満遍なく天狗伝承が残っているのは岡山県の特徴で、中には、止まったとされる松も何カ所かあるという。

 県内特有の妖怪といえば、映画「妖怪大戦争」(2005年)に登場した「すねこすり」だ。岡山県西部を中心に言い伝えがあり、猫のような犬のような姿で、夜に人の足の間を縫うようにすり抜けて行く。愛らしい姿で一躍名を上げた。伝承を調べると、井原市で出現したとされる地点までたどりつくことができた。

 河童は県内全域で伝承が残り「ごんご」で有名な吉井川周辺だけでなく蒜山地域や岡山市街地、瀬戸内沿岸などにもあるそうだ。鬼は吉備津を中心とした岡山市をはじめ、備中南部の地区にも多い。

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 今回のシンポは、そんな岡山の妖怪事情などを岡山民俗学会の会員3人と日本で唯一「妖怪文化論」の講義がある京都先端科学大(京都市)の学生が発表する。

 木下さんは「なめらすじ」や「月の輪」について話す。なめらすじは、妖怪やお化けなどの通り道で、そこに家を建てると家が滅びるとか、人が通ると寒気がするといったちょっと怖い話が、岡山県を中心にした地域と、四国の一部にだけ伝わっているという。

 月の輪は、禁忌とされる田んぼの呼び方で、こちらも耕すと悪いことが起きるとか、女性は耕しては駄目といった言い伝えがある。

 ほかの会員は「棒使いに見られる鬼と天狗」「即身仏」に関して報告する。

 「妖怪が出るのには理由がある」と木下さん。例えば河童は川や池で子どもが亡くなった事故があると、河童が出ると話すことで危険な場所に近寄らせない効果を狙ったケースもあるという。木下さんは「その意味や背景を理解することで、土地の人々の暮らしが読み取れて面白い」と話している。

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 シンポジウムは来年1月25日午後1時半から岡山市北区幸町の西川アイプラザで開かれる。「妖怪シンポ」は京都先端科学大が2009年から東京都や福島県で開催。昨年は岡山市であり、今回初めて岡山民俗学会が共催する。

 民俗学が専門で、日本の妖怪文化に詳しい国際日本文化研究センターの小松和彦所長が基調講演するほか、研究発表、討論会もある。入場無料で定員70人(先着順)、事前申し込み不要。

(2019年12月25日 19時27分 更新)

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