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漫画家・平尾アウリさんに聞く 倉敷出身「推しが武道館…」作者

「推しが武道館いってくれたら死ぬ」第1巻の表紙=(C)平尾アウリ「推しが武道館いってくれたら死ぬ」/リュウコミックス・徳間書店
「推しが武道館いってくれたら死ぬ」第1巻の表紙=(C)平尾アウリ「推しが武道館いってくれたら死ぬ」/リュウコミックス・徳間書店
“顔出しNG”で活動する平尾さん。読者向けに色紙を書いてもらった
“顔出しNG”で活動する平尾さん。読者向けに色紙を書いてもらった
 倉敷市出身の女性漫画家・平尾アウリさん=大阪在住=の原画を集めた個展「アイドルと百合と岡山」が、吉備川上ふれあい漫画美術館(高梁市川上町地頭)で開かれている。岡山県を舞台にした作品「推しが武道館いってくれたら死ぬ」が人気を集め、アニメ化されるなど気鋭の漫画家の一人。トークショー(11月)のため来館した平尾さんに創作への思いなどを聞いた。

 「推しが―」は、岡山で活動する女性地下アイドルグループと、全ての時間とお金をささげて応援する熱狂的なファンらを描くコメディー。持ち味の繊細なタッチで登場人物の行動や心情がつづられ、キャラクターたちの真剣さが笑いを誘う。

 これまで数々の作品を書いてきたが、初めて故郷を舞台にした。「最初は岡山にするつもりはなかった」と言うが、編集担当者の「知っている土地を書いた方が話が絶対面白くなる」との助言を取り入れた。

 作品には、JR岡山駅前の噴水や桃太郎が寝転ぶポスト、表町商店街の時計台など岡山の景色が随所に登場し、掲載後には県内の読者から反響がある。「アイドルと百合と岡山」展も初の個展で「大阪で暮らして10年以上になるので、岡山で注目してもらえるなんて思ってなかった」と控えめに喜ぶ。

 中学2年で投稿を始め3年生でデビュー。2度の休筆期間を挟んで2007年に本格的にプロとして活動を始めた。デジタル作画が増える中、ペンと紙を使ってじっくりと描く「いまどき珍しいくらいアナログの作家」(編集担当者)だ。個展にはコンマ数ミリ単位で修正したり、イラストを切り貼りしたりして作成された原画が展示され、細部までのこだわりが感じられる。

 女性同士の恋愛を扱うことも多く、「推しが―」の主人公のアイドルオタクも女性。“百合作家”と称されることもあるが「書きたい話を書いているだけ。ジャンルは意識していない」ときっぱり。ただ「かわいいものは大好き」で、「推しが―」の主人公が推す(応援する)内気なアイドルは「私にとっても推し。好みの女性に描いています」。

 作品のヒットでメディアに取り上げられることも増えたが「全然売れていると思ってない。生活も変わらない」とマイペース。「これからも書きたいものをゆっくりと書いていきたい」と話す。

 ◇

 「アイドルと百合と岡山」展は22日まで。「推しが武道館いってくれたら死ぬ」を中心に、漫画の原稿や表紙に使われたカラーイラストなど計95点を展示している。金曜休館。入館料は大人500円、高校・大学生400円、小中学生200円。問い合わせは同美術館(0866ー48ー3664)。

 ひらお・あうり 2007年に「月刊COMICリュウ」(徳間書店)主催の漫画新人賞「第2回龍神賞」で銀龍賞を受賞。受賞作「まんがの作り方」がそのまま同誌で連載化された。「推しが武道館いってくれたら死ぬ」は15年から同誌で連載が始まり、現在はウェブ漫画サイト「COMICリュウWEB」で連載中。同作はアニメ化され20年1月からBS―TBSなどで放送される。

(2019年12月16日 16時47分 更新)

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