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なぜ?山里にチョコ専門カフェ 新見、移住夫婦が豆から手作り

チョコレートの説明をしながら接客する青木代表(中央)と康廣さん(左奥)
チョコレートの説明をしながら接客する青木代表(中央)と康廣さん(左奥)
カフェ周辺の航空写真©Google
カフェ周辺の航空写真©Google
古民家を改修した「CHOCO'SカフェFuku」
古民家を改修した「CHOCO'SカフェFuku」
2種類のチョコが楽しめるセットメニュー
2種類のチョコが楽しめるセットメニュー
カフェを営む青木さん夫婦
カフェを営む青木さん夫婦
なぜ?山里にチョコ専門カフェ 新見、移住夫婦が豆から手作り
 中国山地に抱かれた新見市上熊谷地区に、意外な店があると聞いた。手作りチョコレート専門のカフェだという。航空写真で確かめると、山と田んぼに囲まれた集落の中。商売向きとは思えないような山里に、個性的な店を構えたのはなぜなのか―。その理由を確かめるため、現地へ足を運んだ。

 目指すのは「CHOCO'SカフェFuku」。岡山市から車で約1時間半、山の間を縫うような道路沿いに田園風景が広がってきた。上熊谷地区には325世帯・725人(10月末現在)が暮らしている。食料品や日用品などを販売する店はあるものの、コンビニエンスストアは見当たらない。最寄りのJR姫新線・岩山駅は無人駅だ。

 古民家を改修したという店は「チョコレート」と書いたのぼりがなければ、見落としそうなほど周囲になじんでいる。木の引き戸を開けると、代表の青木加代さん(55)と夫の康廣さん(66)が笑顔で出迎えてくれた。

 「カカオ豆はフルーティーだったり酸味があったり、いろいろな特色がある。産地ごとの違いを楽しんでもらいたいんですよ」と康廣さんが店の持ち味を説明する。

 豆の仕入れから製造までを自前で手掛け、メインの板チョコは定番のガーナ産をはじめ常時6種類を用意している。他の産地は時季によって異なり、現在はコスタリカやマダガスカル、ドミニカなど。ガーナ産とお薦め1種類のセット(200円、飲み物別)を基本メニューにしている。月曜から木曜にかけて仕込むため、営業は金・土・日曜のみだ。

 夫妻は昨年春、高知県いの町から新見市に移住し、同12月に店を開いた。カカオ豆から手作りできることをインターネットで知り、6年ほど前から趣味で始めたところ、魅力に取りつかれたのがきっかけ。以前はともに団体職員だったが、新天地で専門店を開こうと一念発起した。

 「高知より涼しくて、身近な都会」となんとなくイメージしていた岡山県内を候補地にし、新見市の「空き家情報バンク」に登録されていた物件にめぐり合った。岡山の地理はまったく知らなかったといい、新見市を訪れてみれば、岡山市から北西に60キロ離れた中国山地のまち。加代さんは「こんなに広くて、寒いところなんだとびっくりした」と笑う。

 オープンから1年。常連客も増えてきた。週2回通っているという近所の奥田都さん(63)は「酸味のあるタンザニアのチョコレートがとてもおいしくて、すぐファンになったんです。2人の人柄や店の雰囲気も魅力で、ホッとしますね」と話す。

 市内外のイベントに招かれ、“出張販売”もするようになった。「地元の皆さんがが支えてくれている。これからも地域に貢献できる店づくりを第一に考えていきたいですね」と加代さん。夫妻が情熱を注ぐ手作りチョコは、縁もゆかりもなかったまちにすっかり溶け込んでいるようだ。

   ◇

 営業時間は金曜午前11時~午後6時、土日曜午前10時~午後6時。開店1周年を記念し、22日までクリスマスグッズが当たる抽選会を実施。15日はチョコレートフォンデュのコーナーを設ける。問い合わせは同店(0867―88―8050)。

(2019年12月12日 19時31分 更新)

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