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いまや野球の方でよく耳にするが…

 いまや野球の方でよく耳にするが、二刀流と言えばやはり剣豪の宮本武蔵が思い浮かぶ人も多かろう。なぜ二刀を使うのか。「五輪書」に書き残している▼そもそも武士は二刀を帯びている。大勢と戦う際などは太刀一つより二つを持った方がいい。その「利」を知らせるために「二刀一流」と称し、片手で振り習わせるのだ、と。13歳の時から60回以上もさまざまな兵法者と勝負をし、一度も敗れなかったという達人は、徹底した現実主義者だった▼生誕したとされる地に近い宮本武蔵駅(美作市)は人名を使ったユニークな駅として話題になった。それを含め岡山県内に4駅がある智頭急行が今月、25周年を迎えた▼鳥取県智頭町と兵庫県上郡町を結ぶ。かつて大原駅(同市)での開業式を取材した際は、着工から曲折を経て30年近くかかっただけに地元の喜びを感じる一方、過疎化が進む中で先行きに不安も抱いた▼だが、過去21年連続で黒字を続けている。昨年度の利用者のうち半数超は、JRとの相互乗り入れで走らせる倉吉―京都間の特急列車によるものだ。山陰と関西をつなぐ「利」を生かしたことによる好業績だろう▼道具は余すところなく役に立てたいものである―。武蔵はそう記している。鉄路を地域の財産とし、美作地方の沿線の振興に、より一層役立つよう工夫を重ねたい。

(2019年12月11日 08時00分 更新)

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