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倉敷・中津貝塚から埋葬人骨出土 縄文晩期、実像を探る手掛かりに

中津貝塚で出土した縄文時代晩期の埋葬人骨。肋骨、鎖骨、脊椎骨などが見つかった(倉敷埋蔵文化財センター提供)
中津貝塚で出土した縄文時代晩期の埋葬人骨。肋骨、鎖骨、脊椎骨などが見つかった(倉敷埋蔵文化財センター提供)
倉敷・中津貝塚から埋葬人骨出土 縄文晩期、実像を探る手掛かりに
 倉敷市教委は10日、発掘調査している縄文時代の貝塚遺跡・中津貝塚(倉敷市玉島黒崎)で、縄文晩期(約3千年前)の土壙墓(どこうぼ)と埋葬人骨が見つかったと発表した。中津貝塚は戦前、縄文土器の一形式「中津式土器」が全国で初めて出土した重要な貝塚だが、規模や範囲など全容は判明しておらず、遺跡の実像を探る手掛かりとして期待される。

 倉敷市は船元、磯の森貝塚などもあり、西日本屈指の縄文貝塚の密集地。中津貝塚は縄文後期初頭を代表する「磨消(すりけし)縄文」文様の土器が確認されたことで知られる。1955年には腕輪や耳飾りを装着した女性の人骨も出土して注目を集めたが、全面的な調査は行われておらず遺跡の詳細は分かっていない。

 今回の調査は貝塚の分布状況の把握を目的に、2018年度から3年計画で実施。18年度に設けた試掘溝の1カ所で、土壙墓2基とそれぞれから1人分の人骨を確認した。1基からは肋骨(ろっこつ)、脊椎骨、鎖骨や手足の骨など、ほぼ全身の骨が出土。もう一方では頭蓋骨が見つかった。本年度は頭蓋骨の出た試掘溝の隣を発掘しており、上腕骨、大腿(だいたい)骨など体部の骨が残っているのを確認した。別の試掘溝では中津式の土器片も出土している。

 前年度見つかった人骨は、国立科学博物館(東京)に送り、年代や性別などを分析中。発掘を担当する倉敷埋蔵文化財センターの小野雅明主幹は「調査成果から、当時の人たちの暮らしの一端を浮かび上がらせることができれば」と話している。

 発掘現場一帯には駐車場がないこともあり、市教委は来年1月に一般の人が見学できる機会を設ける予定。

(2019年12月10日 22時51分 更新)

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