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「ドッグイヤー」はITの驚異的…

 「ドッグイヤー」はITの驚異的な進歩を意味する。犬の1年が人の7、8年に相当することに由来する言葉だが、将棋や囲碁の世界も例外ではない▼若手の間では人工知能(AI)搭載のソフトを使った研究が当たり前になっている。ここにきて目立つのは、機械を相手に独学できる点を利してか、急速に力をつける女性たちの活躍である。これまでの圧倒的な男性優位の勢力図を塗り替える可能性も出てきた▼将棋界では、倉敷藤花を先日防衛した里見香奈女流四冠(27)がその先頭に立つ。持ち味の鋭い攻めに加えあらゆる戦型を指しこなす対応力を磨き、女性の第一人者として一般棋戦でも男性と互角に渡り合う▼囲碁界でも今秋は上野愛咲美女流二冠(18)が一般棋戦で準優勝し、藤沢里菜女流三冠(21)が名人戦最終予選の決勝にまで勝ち進んだ。共にあと一歩で涙をのんだが、棋界に吹く新しい風を予感させた▼人間の能力を上回るAIによって新手が次々に編み出され、流行の戦法も長くは続かない。機械が「最善手」を示してくれれば、もはや過去の名局も参考にはならない。そんな声まで漏れてくるなかでの女性たちの躍進だ▼犬よりさらに早い変化を、人の約18倍のスピードで年を取るネズミに例えて「マウスイヤー」と言うそうだ。子(ね)年の来年は、どんな景色が広がるのだろうか。

(2019年12月08日 08時00分 更新)

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