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コンプリート・ザ・日本三名園 大名庭園らしい後楽園

加賀百万石の庭園だけあり、造った場所が凄い。庭園から金沢の街が一望できる=金沢市
加賀百万石の庭園だけあり、造った場所が凄い。庭園から金沢の街が一望できる=金沢市
2度目の訪問だが、好文亭からの眺めは見事。梅の時期に行ってみたい=水戸市
2度目の訪問だが、好文亭からの眺めは見事。梅の時期に行ってみたい=水戸市
何と言っても岡山城が見えるのが特長。冬の園内もサザンカなどが楽しめる=岡山市
何と言っても岡山城が見えるのが特長。冬の園内もサザンカなどが楽しめる=岡山市
 いよいよ師走。毎年思うことですが、とにかく早いですね。

 さて、今年もずっと撮影していたファジアーノ岡山が属するサッカーJ2も終了しました。ファジアーノは最後までプレーオフ出場の座を争ったものの、後半のアウェーで勝てなかったことが響き、9位でフィニッシュ。残念な結果となりました。

 さて11月に個人的ですが、あるコンプリートをしました。ひと月の間で「日本三名園」を完全制覇できたのです。ご存じのとおり日本三名園は水戸の偕楽園、金沢の兼六園、岡山の後楽園です。J2はこの名園がある街を本拠地にするチームがすべてあります。ですから名園のあるチーム同士が戦う試合を「アラウンド・ザ・日本三名園」と名付けています。過去にもそれぞれ行ったことはあるのですが、ひと月で三名園を回ることができたのは、サッカーJ2のおかげです。

 記憶が新しいうちにインプレッションをお伝えします。11月に最初に行ったのが金沢の兼六園でした。兼六園は17世紀に造られた加賀百万石の大名庭園ですが、小高い丘の上にあります。一番有名なポイントは「ことじ灯籠」、これをバックに写真を撮るのが定番で、当日も多くの外国人が列をなしていました。そして初冬を感じさせる松の雪吊りもされていました。地味ですが日本最古と言われる噴水もあります。

 後楽園を見慣れている岡山人には、少し狭く感じます。しかし、すごいのは大きな池を平地でなく丘の上に造ったことです。近くを流れる浅野川は何十メートルも低いところを流れています。ここまで水を持ってくるとなると、気の遠くなるような土木技術が要ります。さすが加賀百万石! ただガッカリもあります。超々スモールウイークポイントですが、茶店で頂いた団子セットのお茶が「限りなく透明に近いほうじ茶」だったことです。あまりに薄いので番茶か、ほうじ茶の区別もつかないのですが、絢爛豪華な金沢のイメージとはかけ離れていました。数年前もそうでした。うーん残念! それと観光客がめちゃくちゃ多いので駅からのバスも長蛇の列を覚悟しなければなりません。

 次は水戸の偕楽園です。兼六園と後楽園が江戸時代の初期に造られているのに対し、偕楽園は幕末のころの庭園で一番新しい庭園です。水戸黄門が書をしたためる時に「梅里」と号を書きますよね。それを慕っていたのか、偕楽園は梅が見事なことで有名です。ここがすごいのは梅のシーズンとなると臨時の「偕楽園駅」が登場することです。そのくらい梅にかけている! それが偕楽園です。それ以外は閉鎖されているので、小生も水戸駅から路線バスで行きました。片道240円、首都圏なのに交通系ICカードが使えないバス会社もあるのでご注意を!

 梅以外のシーズンは見所なし? と思うかもしれませんが、「好文亭」という優れた建築物があります。この建物は水戸藩第九代藩主 徳川斉昭が建物で、文人や領民などを集めて勉強会のような催しを行いました。空襲で喪失しましたが、昭和30年に再建されました。木造の三階建てで、上からの眺めは見事です。偕楽園に隣接する千波湖や好天なら筑波山なども望むことができます。でも1、2月とかに行かないと本当の良さが分からないかも…。それと、真下を走る常磐線の音が結構うるさいのが残念です。

 最後に岡山後楽園。ここは旭川の中州にあるので、とても広々しています。そして茶店のお茶も薄くない(えっ長所はそこ?)! ベリーグッドポイントは城が見えるのが特長です。城があることにより大名庭園らしい! のです。それと後楽園はいつ行っても、何らかの花が咲いています。茶畑や水田、蓮池もあり、日本の四季がギュッと詰まっているのもグッド。タンチョウヅルの放鳥も他の庭園には無いアトラクションです。

 ガッカリポイントは、借景に現代建築がチラホラ見える(今は県警本部新築工事のクレーンが目立つ)こと。そして兼六園のように周辺に飲食店が多くないことです。バスを降りてフラフラ周辺を買い物や料理を楽しむ場所が少ないので、長く滞在しないのです。その証拠に閉園30分前に、かなり多くの外国人旅行客の団体が入場してきます。周遊できないから「庭だけちょこっと見るツアー」になっているのです。ちなみに閉園時間を伝えるアナウンスはブルゾンちえみです! おそらく外国人は分かっていないでしょうけれど…。

     ◇

蜂谷秀人(はちや ひでと)フリーランスカメラマン。ファジアーノ岡山オフィシャルカメラマン、日本写真家協会会員。1985年、日本大学芸術学部写真学科卒業後、山陽新聞社入社。編集局写真部を皮切りに夕刊編集部、家庭レジャー部記者を経て1995年に独立。1962年岡山市生まれ。

(2019年12月02日 16時59分 更新)

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