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ハイドンの交響曲「告別」は奇妙…

 ハイドンの交響曲「告別」は奇妙な曲だ。終わりに近づくと、演奏者が次々に舞台から去る。最後はバイオリン奏者2人だけが残り静かに終わる▼逸話がある。ハイドンが仕えていた侯爵は一年の多くを別荘で暮らし、宮廷楽団員たちもその間、家族と離れて暮らさねばならなかった。ある年の滞在が例年より延び、楽団員から泣きつかれたハイドンが一計を案じたのがこの曲だ。事情を察した侯爵は早速、皆に休暇を与えたという▼さて、働き方改革が叫ばれている現代の日本。働く人たちの休暇取得は、国が音頭を取って強く働き掛ける時代となった。今春から義務化された年次有給休暇(年休)の年5日取得である▼シンクタンクの岡山経済研究所(岡山市)が地場企業約700社を対象に今秋行った調査がある。取得義務化については、肯定的な意見が53%と過半数を占めた。「良くない」(9%)を大幅に上回っており、制度の評価はまずまずのようだ▼とはいえ、取得に当たっての課題では、担当者によって業務量に偏りがあるとの答えが最も多かった。さらに、人員の不足やカバー体制の不備などを挙げる声も目立った▼年休の取得を着実に進めるためには、やはり経営者や同僚の理解と協力が欠かせない。職場に“不協和音”が生じるようでは、せっかくの制度も台無しになろう。

(2019年12月02日 08時00分 更新)

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