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双子用ベビーカーを押す女性を見…

 双子用ベビーカーを押す女性を見掛けたことは何度もある。幸せそうな風景に目を細めたが、育児の苦労まで想像したことはなかったと気づかされた▼双子や三つ子などの多胎児を育てる保護者の9割以上が「気持ちがふさぎ込んだことがある」という。支援団体が今月、東京で緊急の記者会見を開き、全国約1600世帯のアンケート結果を発表した▼育児は赤ちゃん1人でも大変だ。新生児への授乳回数は1日に8~12回といわれる。単純に計算すると双子なら16回、三つ子なら24回以上となり、その間におむつ替えもあり、お風呂もある▼アンケートで「つらい」と感じた場面を尋ねると、「外出・移動が困難」や「自身の睡眠不足」などが挙げられた。自由記述の欄には「死にたくなる」「いつ寝たらいいのか」などの悲痛な声があふれた▼愛知県豊田市では昨年、三つ子を育てる母親が生後11カ月の次男を床にたたきつけ、死亡させた。懲役3年6月の実刑が確定した裁判では、行政支援の乏しさも浮き彫りになっている▼不妊治療の普及もあり、多胎児が生まれる割合は30年前に比べて1・5倍に増えているという。人口動態統計によると2017年に岡山県内では156人が双子を、4人が三つ子を出産した。子育ての喜びが感じられるように、支援策を充実させる契機にしなければ。

(2019年11月19日 08時00分 更新)

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