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働き方と店舗営業時間の関係性 海外では特殊だった「24時間」

オーストラリアのパースの市場。朝早くから家族で出かけています
オーストラリアのパースの市場。朝早くから家族で出かけています
「芝生」があるとどこでもピクニックが始まるほほえましい光景
「芝生」があるとどこでもピクニックが始まるほほえましい光景
街の中心部にあるスーパーの営業時間です
街の中心部にあるスーパーの営業時間です
 先日、コンビニ大手のファミリーマートが深夜休業を認めると発表したことで、コンビニ大手の時短営業容認方針が出そろいました。平成生まれの私は、物心ついた頃から「コンビニ=24時間営業」でしたし、先進国では24時間営業や、深夜までお店が開いているのが普通だと思っていました。しかし、世界中を旅する中で、24時間営業のコンビニが街中で数百メートルおきに存在する日本の特殊性を痛感しました。

 海外にもコンビニと言われる場所はあります。セブンイレブンやミニストップなど、海外に進出する日本企業も多く見ました。しかし、多くの場合はガソリンスタンドに併設されていて、街中には個人商店のような店舗が多く、だいたい21時や22時で閉店したり、お菓子ばかりが置いてあるので、コンビニ=食事を購入できる場所、ではありませんでした。

 それはヨーロッパを含め、どの国でもほぼ同じでした。海外ではミネラルウオーターを購入して飲んでいて、旅の初めの頃、夜に水がなくなって、日本と同じ感覚で「コンビニがあるだろう」と街に出ると、開いているのはバーばかり。水さえ買えなかったことが多々ありました。

 オーストラリアでは同国第4の都市・パースで半年間過ごしましたが、その街の中心部にあるスーパーでは、日曜日は11時から17時までの時短営業が実施されていました(平日の営業時間は8時~21時)。夕飯の時間には家に帰り、家族全員で食事をしてゆっくり過ごすライフスタイルが根付いていて、土日になるとあちこちでピクニックをする家族の姿を目にしました。

 「鶏が先か、卵が先か」ではありませんが、今の日本の長時間労働は「晩御飯も夜食も、いつでもコンビニに行けば手に入る」という、長時間働けてしまう環境が助長しているものかもしれません。事実「終電があるから帰る」との言葉は頻繁に耳にするわけで、環境が変われば「晩御飯を食べられなくなるから帰る」といった言葉だって生まれてくるのではないでしょうか。

 いつでもほとんどのものがそろっているという、企業とそこで働く人の涙ぐましい努力によって支えられている24時間営業や深夜営業ですが、それを変えることで、昨今叫ばれている「働き方改革」も急速に広まっていくのではないかなと、世界を見て感じるのです。

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 武田悠佑(たけた・ゆうすけ)1987年岡山市生まれ。岡山大学医学部を卒業後、看護師として岡山大学病院に勤務。その傍ら、月に1度岡山市中心部の西川緑道公園にて開催されている「満月BAR」の立ち上げ・初代代表、またNPO法人タブララサ理事も務める。生まれも育ちも岡山市、という環境の中で「世界を見てみたい」と考えるようになり、2017年5月~18年9月、妻・小倉恵美と世界一周した。本人のHPはこちら

 小倉恵美(おぐら・えみ)1989年美作市生まれ。学生時代には、全国で岡山県の観光PRを行う「おかやま観光フレンズ」や「おかやま桃娘」を務めた。20歳の時にケニアを訪れ「世界一周しながら世界中の人々の生活や価値観を知りたい」という夢が生まれる。2013年岡山大学教育学部卒業後、テレビせとうちに入社。記者を務め15年退職。

(2019年11月19日 11時00分 更新)

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