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日没の時刻が日を追って早くなっ…

 日没の時刻が日を追って早くなっている。今時分の日が暮れる様子は「つるべ落とし」ともいわれる。井戸のつるべが落ちるようにあっという間に暗くなってしまう感覚がある▼昔、その名もつるべ落としと呼ばれた妖怪の言い伝えが人々を怖がらせたという。木の上から突然落ちてきて、通り掛かった人を襲ったり、連れ去ったりする化け物だったとか▼さて現代。つるべ落としの日暮れに恐ろしいのは交通禍のようだ。高齢者が道路横断中にはねられた死亡事故について、警察庁が昨年までの過去5年間の10~12月の状況を分析したところ、日没後1時間の発生件数が飛び抜けて多かった▼件数は昼間の約14倍もあり、夜間と比べても約6倍に上った。冬至にかけて日が短くなることや、年末の慌ただしさが運転手の心理に影響しているとみられる。日没後は次第に見通しが悪くなる時間帯でもあり、ドライバーが歩行者に気付くのが遅れている可能性がある▼実際、人の目は明るさから暗さに慣れる「暗順応」の方が、暗さから明るさに慣れる「明順応」よりも時間がかかるとされる。さらに、中高年は加齢によって暗順応が一層遅くなるという▼かつて日暮れごろは「逢魔(おうま)が時」とも呼ばれた。事故という魔物に出くわさないための心強いお守りは、やはりドライバーの注意と自覚だろう。

(2019年11月17日 08時00分 更新)

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