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未払養育費の回収がしやすくなります

未払養育費の回収がしやすくなります
 離婚した配偶者に養育費を支払ってもらおうと、公正証書を作ったり、あるいは訴訟で勝訴したりしても、相手方が素直に支払ってくれるとは限りません。それでもどうしても支払ってもらいたい場合、相手方の財産を強制的に差し押さえて回収する手続(強制執行手続)を行うしかありません。

強制執行手続は財産の特定必要
泣き寝入りするケースも多い


 ただ、強制執行手続を行うには、相手方の財産を特定する必要があります。給与を差し押さえようと思えば、相手方がどこに勤務しているかを突き止める必要があります。預金を差し押さえようと思えば、相手方の口座がある金融機関の支店名を特定しなければいけません。しかしこの特定は簡単なことではなく、特定できないために回収をあきらめて泣き寝入りしなければならないケースも数多くありました。

今年5月に民事執行法が改正
裁判所を通じ情報入手簡単に


 しかし、今年5月に民事執行法が大きく改正され、財産の特定がしやすくなりました。

 具体的には、裁判所を通じて、①銀行などの金融機関から、相手方の口座の情報を教えてもらう②証券会社から、相手方の株式や国債の情報を教えてもらう③登記所から、相手方の所有する不動産に関する情報を教えてもらう④市町村や日本年金機構等から、相手方の勤務先に関する情報を教えてもらう―といったことが可能になりました。養育費に限らず、公正証書や判決などで相手方に金銭を請求する権利が認められている人は誰でも利用できます(ただし④は、養育費や人身事故の損害賠償金などのケースに限定されています)。

 これにより、相手方の財産をスムーズに特定し、差し押さえを行いやすくなることが期待されています。この制度は来年5月までに施行されます(具体的な施行日は今後決定されます)。判決書や公正証書が施行日より前に作成されたものでも、この制度は問題なく利用できます。相手方の財産が分からないからと、請求をあきらめておられる方も、これを機に再度回収についてご検討ください。制度の詳しい使い方については、お近くの弁護士にご相談ください。

(2019年11月14日 12時12分 更新)

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