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男子中村、女子佐藤 大会新初V おかやまマラソン

大会新で初優勝のゴールテープを切る中村佳樹(左)と女子で初の頂点に立った佐藤あずさ
大会新で初優勝のゴールテープを切る中村佳樹(左)と女子で初の頂点に立った佐藤あずさ
男子で準優勝した山口純平
男子で準優勝した山口純平
女子で2位に入った筒本恭実
女子で2位に入った筒本恭実
男子3位の井上
男子3位の井上
女子3位の篠崎
女子3位の篠崎
 第5回の節目を迎えた「おかやまマラソン2019」は10日、岡山市内の日本陸連公認コースで行われ、フルマラソンの男子は中村佳樹(愛媛・愛媛銀行)が2時間17分10秒、女子は佐藤あずさ(岡山・岡山陸協)が2時間49分5秒のいずれも大会新で初優勝を飾った。

 中村は残り4キロ付近からのスパートで並走する選手を振り切り、大会記録(2時間20分31秒)を大幅に短縮。30キロすぎでトップに躍り出た佐藤は従来記録を25秒上回った。

 男女とも2位までが大会記録を塗り替え、男子2位の山口純平(東京・東京陸協)は2時間17分37秒、女子2位の筒本恭実(広島・広島県庁RC)は2時間49分29秒をマークした。3位には男子が井上直紀(大阪・クラブR2西日本)、女子は篠崎理紗(埼玉・不動岡クラブ)が入った。

 スタート時(午前8時45分、ジップアリーナ岡山前)のコンディションは晴れ、気温10.0度、湿度78%。無風。

男子 中村(愛媛) 今年フルで3勝目 絶好調ぶり示す


 絶好調ぶりを示した。今年に入ってフルマラソンはこれで3戦3勝。男子の大会記録を3分以上も塗り替える2時間17分10秒で優勝した中村は「自信がタイムに表れた。最高のレース」と自賛する。

 したたかだった。序盤の5キロを15分台で抜け出した井上を追わず、プラン通りの「5キロ16分10秒台」を着実に刻む。中間地点で捉えると、並走していた山口の背後に付いて脚をため、ラスト4キロ付近で一気に前へ出た。

 松山北高から駒大に進み、3年時は総合3位に入った箱根駅伝でアンカー。卒業後は陸上部のある故郷の銀行に就職し、1日20キロ以上を走り込む。入行1年目に挑戦した岡山路は2位。「あと一歩」が突き破れなかったが、今年は2月の愛媛マラソン、4月の海外レースを立て続けに制し、この日は大学4年時にマークした自己記録(2時間18分37秒)も更新した。

 5月の結婚も発奮材料だ。4歳上の新妻は貧血になりやすい体を食事面で支えてくれるという。次のマラソンは連覇が懸かる愛媛。「頑張る理由が増えた」24歳は、進化した走りを地元で披露する。

女子 佐藤(岡山) 昨年8位から躍進 自分の走り貫く


 自分の走りを貫いた先に望外の結果が待っていた。佐藤のレース前の目標は「2時間50分切りで表彰台」。ふたを開けてみれば、岡山勢女子では初となる栄冠とともに大会新記録(2時間49分5秒)まで樹立し「正直、びっくり」と笑顔が絶えなかった。

 「無理に上げず、体の動くままに走った」。スタートから周囲の男子選手をペースメーカーにピッチを刻んだ。次第に先頭の筒本が視界に入る。「チャンスがあれば抜けるかも」。30キロすぎで捉えた後も気負うことなくペースを守り、そのまま逃げ切った。

 井原市出身。福山暁の星女中高では3000メートルなどに取り組み、岡山大在学時には全日本大学女子駅伝に出場した。一時競技から離れたが、玉野市入庁後、再びシューズを履いた。社会人5年目の27歳は毎朝5時から海を横目に15キロ前後を走った後、職場に向かう。

 これまで10回以上挑戦しているフルマラソンで初の頂点。4年連続出場の大会で昨年の8位から躍進し、自己記録も8分以上更新した。「これからもベストを狙い続ける」。勢いづくランナーは17日の神戸マラソンに挑む。

栄冠まで27秒、充実2位 山口(東京)


 栄冠までは27秒。「ここまで来たら優勝したかった」と言いつつも、異色の金髪ランナーの表情は明るい。男子2位の山口は3度目のマラソンで自己記録を3分半も縮めたからだ。

 2時間20分切りを掲げ、中間点は1時間8分17秒で通過。「オーバーペースかとも思ったけど、体が動いていたのでそのまま行った」。スタート直後から並走を続けた中村には残り4キロで振り切られたが「様子を見ている間に出られた。相手が一枚上手だった」と潔かった。

 山梨学院高で主将を務め、全国高校駅伝では前回覇者として選手宣誓もした。強豪の国士舘大を経て今春、アパレル企業に入社。「大学では伸び悩んだが、やっぱり走るのが好きだし、続けて良かった」と初の岡山路で改めて実感した様子だ。

 自社ブランドのウエアを着用し「優勝なら良い宣伝になったのに」と笑う22歳。「楽しむ」をテーマに、次は12月の福岡国際を走る。

自己新、食らい付き準V 筒本(広島)


 「目標だった2時間50分をやっと切れた」。女子の筒本は2年連続2位。昨年同様、30キロすぎで抜かれ「心が折れそうだった」というが、必死に食らい付き、自己ベスト(2時間50分32秒)を1分以上塗り替えた。

 「前半飛ばして、その貯金でしのぐ」スタイルを磨くため、この夏はスピード練習に注力。レースを先導した前半に鍛錬の成果は表れていた。

 高校、大学とテニスに打ち込んだ35歳は2年前、ダイエットのために走り始めた。初挑戦の兵庫・加古川マラソンでいきなり3時間を切り、競技の魅力にとりつかれた。

 広島県庁職員。出勤前に15キロ、さらに昼休憩で広島城周辺を5キロ走り、スタミナも養う。

 この日は初めて応援に駆け付けてくれた母に優勝を届けることができなかった。「今度こそ1位を取りたい。作戦を練ってきます」。来年は勝負にこだわる。 

初出場で好記録「来年リベンジ」 3位井上


 初出場で男子3位の井上は「優勝できなかった」と何度も繰り返した。前回の優勝タイムを大きく上回る2時間20分51秒の好記録をマークしただけに、悔しさが倍増した様子だ。

 「終盤が弱いので最初にどれだけ差をつけれるか」。勢いよく飛び出し、15キロ地点で後続に45秒差とトップを独走した。ただ「急激に脚が重くなった」とペースダウン。ハーフを過ぎたあたりで2人に抜かれた。

 専大時代は箱根、実業団ではニューイヤー駅伝を走った32歳。第一線を退いた現在も公務員の仕事の合間にトレーニングを続け、「来年はリベンジする」と情熱は衰えない。 

声援励みに粘り「最高のレース」 3位篠崎


 女子3位の篠崎から笑みがこぼれる。「これ以上ない最高の走りができた。(昨年5位の)順位と自己記録を更新できてうれしい」

 「後半型」と自認するが、初出場した昨年、序盤に差を広げられた反省を生かし、スタートから上位の選手に食い下がる。疲労がピークに達した30キロ。「諦めかけた」という最大の難所、岡南大橋の起伏は温かい沿道の声援を励みに粘った。

 神奈川の会社で働きながら、年5回程度マラソンに出場する。優勝した2月の京都マラソンで出したベストも32秒短縮した27歳は、来月挑む大阪マラソンで「(2時間)50分を切る」とさらなる飛躍を期す。

(2019年11月12日 09時40分 更新)

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