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祭りずし風習維持に学生が一役 倉敷 独居高齢者に伝統の味届ける

手作りの祭りずしを高齢女性に手渡す学生(左)
手作りの祭りずしを高齢女性に手渡す学生(左)
 重要伝統的建造物群保存地区を抱える倉敷市東町で、秋祭りに合わせて川崎医療福祉大(同市松島)の学生有志が住民とすしを手作りし、町内の独居高齢者に配る活動を続けている。高齢化が進み地域の風習が途絶えつつある中、コミュニティーの維持に一役買っている。

 明治から昭和初期の町家が残る東町では、阿智神社(同市本町)の秋季例大祭(10月)に合わせ、住民が祭りずしを作って近所に配る習わしがある。

 2014年、同大医療福祉学科の学生らがつくる団体「e―コミュニティー研究所」が同町で独居高齢者の調査を手掛けた際、NPO法人「倉敷町家トラスト」(同市東町)の中村泰典代表理事(68)から祭りずしの存続が厳しくなっている状況を聞いて「伝統の味と文化を守り継ぎたい」と協力に乗り出した。

 地元の高森美由紀さん(47)が、味に定評があった旧家のレシピを学生に紹介。今年も19、20日に同トラストの事務所に学生5人と住民計約10人が集まり、地元の鮮魚店で購入したエビを使ったそぼろや煮アナゴ、酢レンコンなどの具材を丁寧に調理して仕上げた。

 学生たちは20日昼に13人の高齢者宅を訪れ、すしを届けた。受け取った80代の女性は「立派なおすしを毎年、毎年、すごいね。ありがとう」と笑顔だった。

 同研究所代表の3年芝原香月さん(20)は「人と人とのつながりをつくることができてうれしい。これからも地域の人たちと伝統のレシピを伝えたい」と話している。

 同研究所は14年に発足。倉敷東学区社会福祉協議会や東町町内会などと協力し、駄菓子を通じて高齢者と子どもが交流するイベント「だがしわ」も手掛けている。

(2019年10月31日 10時07分 更新)

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