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貸主から立ち退きを要求された

Q:私は、ビルの1階を賃借して美容室を経営しているのですが、先日、貸主からビルが老朽化して修繕が大変なので立ち退いてほしいとの申し出を受けました。私は立ち退く必要があるのですか。仮に立ち退く場合、移転費用などは請求できますか。

A:立ち退く必要がないか、立ち退き料を請求できる

 立ち退く必要がないか、立ち退くとしても、通常は相当額の立ち退き料を請求できます。

 そもそも、貸主側からは「正当事由」がない限り、立ち退き(賃貸借契約の解除)を申し出ることができません(借地借家法28条)。

 正当事由の有無は、①貸主が建物を必要とする事情を基本として、②従前の賃借の経過、③利用状況、④建物の現況、⑤立ち退き料の提供などの事情を考慮して判断されます。

 「ビルの老朽化」は、④建物の現況として考慮されますが、修繕すれば店舗としての利用が可能という状態であれば、その他の事情を満たさない限り、立ち退く必要はありません。

 仮に、その他の事情を満たした場合でも、通常は立ち退き料の支払いが必要になります。

 立ち退き料は、移転費用だけでなく、借家権価格や営業補償まで請求できる可能性が高いです。例えば、駅前などの好立地で営業していた場合、それらの費用は数百万円から数千万円、場合によっては1億円を超えることもあります。

 なお、仮に正当事由があって立ち退く場合でも、立ち退きは早くて6カ月以上先で大丈夫です(同法27条)。立ち退きの必要性や立ち退き料については、個々の事案によって違うため、ご不明な点がございましたら、弁護士などの専門家にお尋ねください。

(2019年10月24日 11時30分 更新)

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