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岡山の中1男子 髪伸ばす理由は… 「同じ病気で苦しむ子の力に」

病気で髪を失った子どものために髪を伸ばしている青山虎雅さん
病気で髪を失った子どものために髪を伸ばしている青山虎雅さん
 病気などで髪の毛を失った子どもたちにウイッグ(かつら)を贈る「ヘアドネーション」に参加しようと、髪の毛を伸ばしている少年がいる。白血病で入院した経験のある岡山市立後楽館中1年の青山虎雅(こうが)さん(13)。「同じ病気で苦しむ子どもたちの力になりたい」と闘病中の小学3年から始めてはや4年がたち、現在30センチほどの長さになっている。

 虎雅さんを突然、病が襲ったのは小学2年の夏休みだった。急性リンパ性白血病。即入院し、家族の闘いは始まった。母・由香里さん(39)から病気の説明を受けた。ベッドは無菌を保つビニールカーテンに覆われ、検査や投薬治療が連日続く。特に嫌だったのは化学療法などの影響で頭髪が抜けてしまうこと。病気になるまでは、長髪をヘアバンドで留めてサッカーする“おしゃれな”子だった。きつい治療は懸命に耐えたが、髪のことを聞かされたときは号泣した。

 治療が奏功し、少しずつ髪が生えてきた1年後の夏、自分の髪をプレゼントすればウイッグができると知った。長さは31センチ以上必要になる。1年3カ月の入院生活を終えてからも、由香里さんと一緒に伸ばし続け、来年の春には2人そろって知り合いの美容院を通じて実施団体に贈る予定だ。

 髪が長いイメージがあったからか、小学校の友達は何も言わなかった。中学に入学して自己紹介で、伸ばしている理由を明かした。同じクラスに既に寄付した女子生徒がいることも分かり、他の生徒や先生も理解を示してくれている。

 ウイッグを作っているNPO法人(仙台市)によると、連日50~100人程度の寄付があるが、長髪への抵抗があるせいか、男性の協力者は、ほとんどいないという。

 虎雅さんは、街中のトイレや旅行先の風呂などで女子に間違われ、ちょっと嫌な気分になることもあるが、ぐっと我慢できる。「自分が経験したから、髪が抜けるつらさが分かる。困っている子を助けたい」との思いがあるからだ。

 そろそろ寄付できる長さになってきた。でも虎雅さんは「今切ったら僕の髪が短くなり過ぎるから、もう少し伸ばしてから」と笑った。

(2019年10月26日 22時41分 更新)

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