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持ち主の迎え待つ思い出の品々 西日本豪雨の県中間処理プラント

岡山県が保管している思い出の品
岡山県が保管している思い出の品
思い出の品の特徴を用紙に記録する中間処理プラントのスタッフ
思い出の品の特徴を用紙に記録する中間処理プラントのスタッフ
 持ち主の迎え待つ思い出の品―。昨年7月の西日本豪雨で甚大な被害が出た倉敷、総社市の災害廃棄物が運び込まれる岡山県の中間処理プラント(倉敷市水島川崎通)。事務所の一室には、廃棄物の中から拾い集められた写真やアルバムなどが保管されている。

 その数は約300点。「お父さん、お母さん 大切に育ててくれてありがとうございました」と結婚する娘が両親に宛てた手紙、チームメートが寄せ書きしたとみられる硬式野球のボール…。1年3カ月前のあの日までの人生が投影され、傷みが目立っても被災者にとっては“宝物”の可能性がある。賞状、位牌(いはい)、少年野球用のグラブなども見つかった。

 県、市は何とか持ち主の手元に戻そうと作業を進める。

返却へ手選別で収集、記録―倉敷、総社市は展示会も検討

 西日本豪雨によって生じた災害廃棄物を分別、破砕している岡山県の中間処理プラント(倉敷市水島川崎通)は2月に稼働した。倉敷、総社市の委託を受け、家屋解体などに伴う約13万トンのごみを来年6月にかけて処理する。思い出の品は、その過程で見つかっている。

 がれきや金属類、ガラスなどの中に写真や手紙が交ざっていることが少なくないため、作業員が目を光らせて一つ一つ手選別で収集。付着した泥や汚れを拭いたり、払ったりした上でナイロン袋に入れ、今のところプラスチック容器8箱分に及ぶ。

 県によると、大きな浸水被害を受けたため泥水が染み込むなど傷みが激しい物もある。それでも写真に刻印された日付や撮影場所などを読み取り、用紙に記録。持ち主特定の手掛かりとなる情報のデータベース化を急ぐ。

 県は、思い出の品の取り扱いを定めた国の指針に沿って今後、整理した情報と品々を両市に受け渡す。両市は、被災者を対象にした合同展示会の開催など具体的な返却方法を検討するという。

 中間処理プラント責任者の岡野英隆統括所長(38)は「一人一人の人生が詰まった大切な物ばかりに違いない。どうにかして持ち主に返してあげたい」と話している。

(2019年10月23日 22時02分 更新)

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