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感染症対策「五輪へ万全態勢で」 G20保健相会合終え加藤厚労相

閉幕後の記者会見で感染症対策に力を注ぐ考えを示した加藤厚生労働相
閉幕後の記者会見で感染症対策に力を注ぐ考えを示した加藤厚生労働相
 岡山市を舞台にした20カ国・地域(G20)保健相会合が20日閉幕し、議長を務めた加藤勝信厚生労働相が市内で記者会見した。主要議題の一つとなった感染症対策について、対応に当たる世界保健機関(WHO)の基金拡大や基礎的医療の強化が共同宣言に盛り込まれたことを踏まえ、「採択された施策を着実に実施し、各国と協調して取り組んでいきたい」と語った。

 感染症は、中部アフリカのコンゴでエボラ出血熱が流行するなど流行阻止が世界的な課題となっている。加藤厚労相は国外から多くの観光客が訪れる来年の東京五輪・パラリンピックを控え、政府内に感染症の対策チームを立ち上げたことにも触れ「万全の態勢をつくっていく」と述べた。

 保健相会合として初めて主要議題に上った高齢化に関しては「進捗(しんちょく)状況は異なるが、それぞれの国で大きな課題となっていることが明らかになった」と説明。国内では認知症患者の支え手となる約1千万人の認知症サポーターがいることなどを紹介し、今後も世界で議論をリードしていく考えを示した。

 地元・岡山県が会合の舞台になったことには「議長役を務めることができたのは大変光栄。会合を契機に岡山の皆さんが健康への関心を高め、健康づくりの取り組み強化につながれば」と期待を寄せた。

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G20岡山保健相会合の岡山宣言の要旨は次の通り。

【ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の達成】

▽2030年までにUHCを達成する目標を確認。他国への支援も継続する。

▽適切、革新的、安価で費用対効果の高いデジタルヘルス技術(ITを使った健康管理など)の利用でUHC達成を加速する。

▽保健財政を持続させるため、保健施策・制度をつくる人材・組織の能力を高める。保健システムが脆弱(ぜいじゃく)な国も支援。

▽UHC達成には保健分野を超えるリーダーシップが必要。民間や非政府組織の貢献を受けつつ、財務など関連閣僚とも連携する。

【高齢化への対応】

▽活動的で健康的な高齢化を優先事項とする。高齢者が尊敬され、社会に貢献できるよう努める。

▽健康寿命の延伸と生活の質の向上を優先課題とする。健康的な生活習慣への意識向上や政策を実施する。

▽認知症患者や家族らの介護の質、生活の質を高めるための行動計画を策定、実施する。

▽認知症の要因の科学的根拠をさらに補強。医療提供者の能力強化などで早期発見や診断、介入を促す。

▽認知症への偏見をなくすことで、認知症の人と共生できる環境づくりを促す。

【健康危機への対応】

▽アウトブレイク(爆発的感染)などへの迅速な対応を持続できるよう、WHOに緊急対応基金(CFE)への資金提供者の拡大を奨励する。

▽薬剤耐性菌への対応として、抗生物質(抗菌薬)などの慎重かつ責任ある処方と利用を実現する。

▽新しい抗菌薬などの研究開発への投資を奨励する。同薬の持続可能な利用を保証するため、インセンティブ(報奨)を検討する必要性を確認。

(2019年10月20日 22時23分 更新)

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