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退職した契約社員からボーナスや退職金の不支給は差別だと訴えられた

Q:私は、インターネット通販をしている会社の社長です。従業員は100人で、正社員が30人、契約社員が70人です。正社員と契約社員とでは就業規則が異なり、契約社員にはボーナス、退職金は不支給としております。この前、退職した契約社員5人からボーナス、退職金の不支給は正社員との合理性の差別だとして訴訟が提起されました。どうなりますか。

A:ボーナスや退職金の不支給 業務内容が同じ場合は無効

 社長としては、就業規則で明確に規定しているのだから、契約社員にはボーナスも退職金も支払わなくていいと思いたくなりますよね。

 しかし昨今の働き方改革では「同一労働同一賃金」ということがテーマとなっており、正社員と契約社員との間で業務内容が同じ場合、差別的取り扱いについては、慎重に審理される傾向にあります。最高裁の判例でも、正社員と非正規社員との不合理な差別は無効であると判断されています(ハマキョウレックス事件、長澤運輸事件判決)。

 あくまでも業務内容が同じであることが前提ですが、ボーナス、退職金の不支給は不合理な差別で無効であり、支払いを認容する判決が出ると思われます。

 本件では退職金を全く支払わないということですが、裁判例では退職金が正社員との比で4分の1以下の場合は不合理としたものもあります(東京地裁平成29年3月23日判決)。従って契約社員に退職金を全く支払わないことは認めないが、正社員と比較して4分の1程度であれば、合理性ありとして認められる可能性はあります。

 このように、今後は正社員と契約社員などの待遇の相違については、慎重に対応する必要があります。

(2019年10月10日 16時30分 更新)

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