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消滅時効について

消滅時効について
 民法・商法には、行使されない債権について、一定期間の経過などの条件のもとに権利を消滅させる「消滅時効」の規定があります。

平成29年の民法改正で
消滅時効制度を整理


 一般的な債権の消滅時効期間は、権利行使が可能な時期から10年間であり、商人や商行為に基づく債権の消滅時効期間は同じく5年間と定められていますが、その中で、一部の職業に関連して発生する債権については、これらの原則より短期間で消滅させる「短期消滅時効」と呼ばれる規定があります。

 例えば医師・薬剤師などの医療・調剤に関する債権は3年間、弁護士の職務に関する報酬などや職人の請負債権、労働者の賃金などは2年間、飲食店の代金などは1年間というように、これらの規定は、単なる原則と例外というにはあまりに多様かつ複雑な制度となっていました。

 しかし、平成29(2017)年の民法改正により、これらの消滅時効制度が大きく整理された結果、「債権者が、権利を行使できることを知ってから5年間」または「債権者が、権利を行使できるようになってから10年間」という原則に統一されることになりました。

改正民法の施行日以降に適用
施行日前の契約は古い規定に


 「権利が行使できるようになってから」と「権利が行使できることを知ってから」を区別しているのは、例えばひき逃げ事故の加害者が事故後しばらく経過してから明らかになることがあるように、権利が発生したからといって、権利者が直ちにそれを行使できるとは限らないことに配慮したものです。

 これによって、債権の種類によって時効期間がまちまちだった従来と比較して、時効の成否について画一的に明確な判断ができるようになりますが、注意が必要なのは、これらの改正は、あくまでも改正民法の施行日以降に新たに発生した権利についてのみ適用され、施行日より前の契約などに基づいて施行日以降に発生した権利も、古い規定が適用されるということです。

 改正民法の施行予定日は、2020年4月1日とされています。かなり大きな変更なので、この前後に契約を予定している方は、くれぐれもご注意ください。

(2019年09月27日 11時20分 更新)

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