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国内最古の診療明細書 岐阜で発見 レセプト学会調査、明治期の9点

発見された診療明細書。薬価など種別に応じた料金が書かれている(画像の一部を加工しています)
発見された診療明細書。薬価など種別に応じた料金が書かれている(画像の一部を加工しています)
診療明細書を手にする大友教授(画像の一部を加工しています)
診療明細書を手にする大友教授(画像の一部を加工しています)
 国内最古とみられる診療明細書が岐阜県大垣市の個人宅に現存していることが、日本レセプト学会(理事長・大友達也就実短大教授)の調査で分かった。1908(明治41)年6~8月に作成された9点。地元の医療機関が入院中の患者の薬代などを記しており、退院時に渡していたという。

 公的医療保険制度について定めた22(大正11)年の健康保険法制定よりも古く、「制度が確立する以前の明治時代に明細書が発行されていたこと自体が驚き」と大友教授。「当時、地方でどのような医療が行われていたかを患者の視点から知る貴重な手掛かりになる」とする。

 現行の診療明細書は医療機関で受けた治療や検査の内容、処方薬などを記載。2010年4月に発行が原則義務付けられた。

 今回見つかった国内最古の診療明細書9点は、いずれも岐阜県大垣市の「小寺家文書(もんじょ)」と呼ばれる古文書群の一部。患者側の史料はごみとして捨てられることがほとんどで、現存するのは極めて珍しいといい、発見した日本レセプト学会は今後、ほかの史料とともにより詳細な調査を進める。

 明細書には「薬価及手術料明細書」の文字や医療機関名などが印刷され、1908(明治41)年8月6日の史料では費用の合計を3円66銭と記載。種別では「薬価」のほか、「召使料」とも「入院料」とも読める文字が書かれている。

 9点とは別に、薬価と診察料を記入した領収書もあり、裏面には「頓服薬 一包 金六銭」「皮下注射料 一回 金拾五銭」などと地元医師会による料金表も載っていた。

 同学会理事長の大友達也就実短大教授は「これらの史料は、当時非常に高額だったと考えられる診療行為の対価を患者に明確に示すために作られたのではないか」と推察する。

 同学会は2017年10月の発足以降、診療報酬に関する史料の調査を実施。副理事長の黒野伸子・岡崎女子短大准教授(診療報酬請求論)が今年6月ごろ、小寺家文書の目録に明細書の記述があることを知り、今月4日、大友教授と個人宅を訪れ、実物を確認した。

 同学会は所有者の了解を得て、処方箋や診察結果など医療関係の史料を含んだ段ボール5箱分の約2千点を借り受けており、今後、分析チームを編成して解読などの調査に取り組む。

 大友教授は「患者の日記も残っており、小寺家文書と併せて読み解くことで、医療の実態が分かる可能性がある」と話している。

(2019年09月27日 08時00分 更新)

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