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重度障害者 外出楽しんで 小児科医と家族が倉敷観光マップ

重度障害児者向けの観光マップを手にする井上代表世話人
重度障害児者向けの観光マップを手にする井上代表世話人
 重度障害者が倉敷の街を気軽に楽しめる共生のまちづくりを進めようと、地元の小児科医と重度障害者の家族が、役立つ情報を載せた観光マップを作った。岡山県内では初の取り組みという。20、21日に岡山、倉敷市内で開かれる「日本重症心身障害学会学術集会」の会場や倉敷市観光休憩所、同市総合療育相談センターで無料配布する。

 大型車いすの利用や痰(たん)の吸引など医療的ケアが必要な重症心身障害児者(重症児者)は、大人用のおむつ交換台や広々とした洗面台を備えたトイレ、大型エレベーター、車いす専用駐車場がない施設には行けず、家に閉じこもりがちになるという。

 マップでは、美観地区と児島地区の二つのモデルコースを紹介。美観地区では、入り口にスロープのある市芸文館のカフェや、おむつ替えに簡易ベッドが利用できる倉敷物語館など7カ所を載せた。児島地区は、広い駐車場を備えた県漁連水産物展示直販所、道が平たんで車いす利用者らの負担が少ない児島ジーンズストリートなど6カ所を巡るコース。主な施設のエレベーターの寸法や車いす用駐車場の台数も記した。

 重症児者をサポートする小児科医らで構成する「倉敷地区重症児の在宅医療を考える会」(代表世話人・南岡山医療センターの井上美智子小児神経科医長)が、倉敷、岡山、浅口市在住の親と本人らでつくる「重度重複障がい児(者)の幸せを願う会『ますかっと』」から情報を集め、会員らと街を歩いて設備などを確かめた。

 マップはB4判三つ折りで、2500部作った。長男(28)と作製に協力した女性(59)=倉敷市=は「障害者家族の外出機会が増えるとともに、施設整備の充実につながってほしい」と期待。井上代表世話人は「誰にも優しい地域の実現に役立てば」と話している。

「支援」テーマ 21日公開講演―川崎医療福祉大

 重症心身障害児者の支援について、講演やシンポジウムなどを通して考える「市民公開講演」が21日午後1時から、川崎医療福祉大(倉敷市松島)の川崎祐宣記念講堂で開かれる。

 「日本重症心身障害学会学術集会」の関連プログラム。元総務相の野田聖子衆院議員が「医療的ケア児の母として」と題して講演するほか、シンポでは社会福祉法人・旭川荘(岡山市)の利用者を支える「旭川荘友の会」の黒住宗晴副会長、「旭川児童院ボランティア友の会」の伊原木奈美会長、NPO法人「ゆずり葉の会」の佐藤恵美子理事長が意見を交わす。

 参加無料。申し込み不要。問い合わせは旭川乳児院(086―275―4308)。

(2019年09月20日 07時01分 更新)

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