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ラグビーW杯 日本開催をもり立てよう

 「世界一」の座をかけて強豪チームが激突する迫力と高度な技が、見る者を魅了してくれることだろう。

 4年に1度行われるラグビーの祭典ワールドカップ(W杯)の日本大会が、いよいよあす幕を開ける。アジア初開催という歴史的な舞台で、悲願の決勝トーナメント進出(8強入り)に挑む日本代表の活躍を応援したい。

 今大会には、史上初の3連覇を狙うニュージーランド代表など20チームが出場。東京や神戸市、東日本大震災被災地の岩手県釜石市など全国12都市で、11月2日の決勝戦まで計48試合が行われる。

 1次リーグは4組に分かれ、各組の上位2チームが決勝トーナメントに進む。世界ランキング10位の日本はA組で、世界1位のアイルランドや7位のスコットランド、16位のサモア、20位のロシアと競う。厳しく気の抜けない試合が続きそうだ。

 日本の強みはスピードを生かし、アンストラクチャー(陣形が整っていない状態)の中で力を発揮できることという。実践する日本代表31人の顔ぶれは、チームの大黒柱であるリーチ・マイケル主将をはじめ、不動の司令塔として鋭い洞察力を誇る田村優選手ら多士済々で頼もしい。

 目を引くのが外国出身選手の多さである。出場選手に国籍要件はなく、外国籍でも3年以上継続して居住しているなどの条件を満たせば代表資格を得られる。今回は過去最多の6カ国、15人に上った。人種や文化の違いを尊重し、心を一つにして目標達成に力を合わせる。多様性が進む日本の共生社会を考える契機にもなろう。

 2015年の前回大会で、日本は強豪の南アフリカを下し、「史上最大の番狂わせ」と呼ばれた。1次リーグで3勝1敗だったが、8強入りは果たせなかった。その悔しさをばねに日本ラグビーの新たな歴史を切り開いてほしい。

 W杯の日本開催は、国内におけるラグビーの認知度を高める。世界最高レベルの戦いに接することは、競技人口やファンの裾野拡大にもつながろう。

 開催地やキャンプ地では、多彩な歓迎の催しが繰り広げられている。大会には海外から約40万人が観戦に訪れるとみられる。交流を深め、地域の魅力やメッセージなどを発信する好機だ。周遊観光など他地域への波及も望まれる。

 大会期間中には、スコットランドの選手らが昨年の西日本豪雨で被害を受けた倉敷市真備町地区の小学校を激励に訪れる予定だ。タックルの代わりに腰につけたひもを取る「タグラグビー」などで児童と交流する。選手たちの励ましが、子どもたちや地域に元気を与えてくれるだろう。

 開催都市では、W杯史上最多の計約1万3千人のボランティアが、観客の誘導や運営補助などさまざまな場面で大会を支える。自国でのW杯を選手とともにもり立てたい。

(2019年09月19日 08時00分 更新)

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