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大切なつながり 友情に国境なし 世界各国で出会い、触れた人柄

フィリピンのボラカイ島で、現地に住む子どもたちに囲まれて。人懐っこく、私に興味津々。少し一緒に遊んだ後の写真です
フィリピンのボラカイ島で、現地に住む子どもたちに囲まれて。人懐っこく、私に興味津々。少し一緒に遊んだ後の写真です
フィリピンのサガダで撮影。揚げバナナを彼女から買って、話が盛り上がり、そのまま夕食を彼女の友人と取った時です
フィリピンのサガダで撮影。揚げバナナを彼女から買って、話が盛り上がり、そのまま夕食を彼女の友人と取った時です
ポーランドの首都ワルシャワ。壊されても、「全く同じものをもう一度」作られた街並みです
ポーランドの首都ワルシャワ。壊されても、「全く同じものをもう一度」作られた街並みです
韓国人ユーラ(左端)。勤勉でチャレンジ精神のある、すてきな女性でした
韓国人ユーラ(左端)。勤勉でチャレンジ精神のある、すてきな女性でした
韓国人男性と一緒に、メキシコでサッカー観戦をしました。本田圭佑選手がパチューカに在籍していた時。地元サポーターと一緒になって本田選手を応援してくれました
韓国人男性と一緒に、メキシコでサッカー観戦をしました。本田圭佑選手がパチューカに在籍していた時。地元サポーターと一緒になって本田選手を応援してくれました
 世界一周の旅から帰国したのが2018年9月26日。あれから、約1年が経過しました。いまだに、この経験を基にした講演会のご依頼をいただいており、よく聞かれるのは「旅の費用」や「旅でのトラブル」について。その都度、お答えしているのですが(過去のコラムにも執筆しています)、意外と聞かれないのはその国々での「人柄」についてです。今回は、特徴的だった各国の人柄を、私が感じた限りで書いてみます。

 まずは、世界一周の1カ国目、フィリピン。明るく、人懐っこい方が多いです。特徴的なのは、給料日のテンションが異常に高く、爆買いをする方が多くいらっしゃいます。給料日にATMが長蛇の列になることは、恒例の光景です。

 また、街を見ていて気付く方もおられるでしょう、男性は基本的に働きません。女性だけが育児、仕事でせかせかと働く家庭が多く、働かない男性は「何かあった時のため」に備えているそうです。もちろん、中には朝から晩まで働く男性もおられます。

 次は、ポーランド。不屈の精神の宿った民族です。歴史的にみて、ローマ、ドイツ、ロシア、モンゴル、オーストリア等、さまざまな国から侵攻され、5度にわたる分割にも負けず、国として復活してきました。

 第2次世界大戦でナチス・ドイツに市街のおよそ80%を破壊された後、近代的な都市を作るのではなく、「壁のひび一本に至るまで」緻密に旧市街を復元したのです。その町並みは現在、世界遺産に登録されています。

 私の友人のポーランド人は「今の仕事では、私の子どもたちと理想の生活が送れない」と気付き、仕事をしながら4年間勉学に励み、大学助教になった方です。その4年間、子どもの誕生日も一緒に過ごせなかったそうですが、今となっては「時間とお金」に余裕ができ、家族の時間も大切にされているので、お子さんはその母親をものすごく尊敬していると言います。

 一つの目標に向かって、まっすぐに進むことができる。美しいなと思います。

 最後に、最近日本でも話題になっている、韓国です。私たちは、世界一周の旅で多くの韓国人と出会いました。今、ニュースなどで日韓関係が叫ばれています。政治的なことはよく分かりませんが、私たち夫婦が旅中で出会った韓国人は皆、勤勉で、思いやりがある人でした。

 例えば、トルコで出会った韓国人女性ユーラは、日本文化が大好き。ユーラによると、若い韓国人は日本のアニメやドラマで日本語を勉強する人も少なくないそうです。かくいう彼女も、簡単な日本語を話すことができます。どうやって勉強したのかと言うと、ユーラの場合はドラマ「1リットルの涙」で沢尻エリカの大ファンになり、セリフを覚えては、意味を調べ、何度も復習し、日本語を勉強したのだそうです。他にも、ナルトやワンピースといった漫画で勉強したのだとか。英語もとても流ちょうでした。

 「日本の文化は素晴らしい。何より、人の姿勢。謙虚で、勤勉で、私は日本の女性から見習うところが沢山あると思っている」。でも私は、ユーラからその姿勢を学ばせて貰えた気がしています。

 ユーラとは、私たちが韓国を訪れた際にはユーラの家を、ユーラが日本を訪れた際には私たちの家を使うと約束しています。お互いに「隣国に家がある」状態です。

 余談ですが、日本語と韓国語は非常に似ているそうです。文法もそうですが、例えば、日本語の「家族」は韓国語で「カジョク」と発音します。「約束」は「ヤクソク」で発音が同じだそうです。面白かったのは、日本語の「3分間無料マッサージ」。これも、韓国語で発音が全く同じなのだとか。

 また、メキシコで出会った韓国人男性は、身体は大きく鍛え上げていて、いつもレディーファーストなジェントルマンです。彼は謙虚で、いつも「自分は最後でいい」と言うスタンスの男性でしたが、かと思えば先陣を切って場を盛り上げる事もあるナイスガイでした。

 夜間、一緒に街を歩いていた時、冗談で「今襲われたら大変だね、少し明るい道を行こうか」と提案すると、「そうだね。もし何かあったら、僕が頑張ってファイトするから、皆その間に逃げてくれ」と真面目な顔で言う人間でした。少し不器用な人でしたが、優しく、いつも人のことを気にかける男性です。

 私たちがオーストラリアでステイしていた家の家主も韓国人でした。とても良くしてくれて、感謝しかありません。

 私は、国単位でのことを叫ぶつもりはありません。しかし、私たちはこれからも、国境はあれど、個人単位でのつながりは、大切にしていきたいと思っています。世界中に、優しさがあふれることを、願ってやみません。

  ◇

 武田悠佑(たけた・ゆうすけ)1987年岡山市生まれ。岡山大学医学部を卒業後、看護師として岡山大学病院に勤務。その傍ら、月に1度岡山市中心部の西川緑道公園にて開催されている「満月BAR」の立ち上げ・初代代表、またNPO法人タブララサ理事も務める。生まれも育ちも岡山市、という環境の中で「世界を見てみたい」と考えるようになり、2017年5月~18年9月、妻・小倉恵美と世界一周した。本人のHPはこちら。

 小倉恵美(おぐら・えみ)1989年美作市生まれ。学生時代には、全国で岡山県の観光PRを行う「おかやま観光フレンズ」や「おかやま桃娘」を務めた。20歳の時にケニアを訪れ「世界一周しながら世界中の人々の生活や価値観を知りたい」という夢が生まれる。2013年岡山大学教育学部卒業後、テレビせとうちに入社。記者を務め15年退職。

(2019年09月18日 11時00分 更新)

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