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米人気女優のアンジェリーナ・ジ…

 米人気女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが乳がんのリスクを減らすため健康な体にメスを入れ両乳房を切除したニュースは世界を驚かせた。6年前のことだ。その2年後には卵巣・卵管も摘出した▼特定の遺伝子に病的変異がみられる遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)。80歳までに乳がんを7割、卵巣がんを4割程度の確率で発症するとされる。手術への決断に加え、悩ましいのは変異が親から子へと2分の1の確率で遺伝することだ▼太宰牧子さん(50)=東京=は姉を卵巣がんで亡くし、自身も42歳で乳がんになった。同じ境遇にある者同士が語り合う場をつくるため2014年にNPO法人の患者会「クラヴィスアルクス」を立ち上げた▼発症への不安。手術への迷い。子どもたちに受け継がれてしまうかもしれない恐怖。HBOCの当事者でなければ分からないことは多い。交流会では今まで誰にも打ち明けられなかった思いや悩みが語られる▼太宰さんたちは今夏から岡山大病院(岡山市)で月1回の例会を開催。会の存在や活動を社会に知ってもらうためのパネル展を来年1月に同病院で開く準備をしている▼クラヴィスはラテン語で「鍵」、アルクスは「虹」を意味する。これからの医療の大きな鍵を握る遺伝子医療と人との間に虹の橋を架けたい―。太宰さんらの願いだ。

(2019年09月17日 08時00分 更新)

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