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学んだ思い出の津山でオペラを 作陽音大卒業生4人組が毎夏公演

「Come prima 04」や、地元の学生らでつくる合唱団員が朗々とした歌声を響かせた「フィガロの結婚」=8月18日、ベルフォーレ津山
「Come prima 04」や、地元の学生らでつくる合唱団員が朗々とした歌声を響かせた「フィガロの結婚」=8月18日、ベルフォーレ津山
 津山市にあったキャンパスで、約40年前に学んだ作陽音楽大(現くらしき作陽大)の卒業生4人によるオペラグループ「Come prima(コーメ・プリーマ) 04」が、思い出の地で公演を重ねている。岡山県北では上演機会の少ないオペラの魅力を伝えようと、独自の演出にもこだわってファンの裾野拡大に努めている。

 「しゃべってないで歌いんちゃい!」。8月中旬、ベルフォーレ津山(同市新魚町)で上演されたモーツァルトの喜歌劇「フィガロの結婚」全4幕。ウィーン国立歌劇場合唱団員として活躍する伊地知宏幸(バリトン)らが、原語のイタリア語で朗々とした歌声を響かせた。邦訳されたせりふパートには作州弁や時事ネタも取り入れられ、客席に笑顔が広がった。

 伊地知、岡部しのぶ(ソプラノ)=津山市、鳥越由美(ピアノ)=同、松本洋子(メゾ・ソプラノ)=赤磐市=の4人は2017年から毎夏、この会場でオペラを上演。昨年に続いて鑑賞した津山市立弥生小3年福島さつきさん(9)は「すてきな歌がたくさん聴けた。せりふがあったから、物語も分かりやすくて楽しかった」と満足そう。

 結成のきっかけは、7年前の同窓会での再会だった。「青春時代を送った第二の故郷で、何かできないかという思いが一致した」と、鹿児島県出身で、学部とオペラマイスタークラスで計8年半を津山で過ごした伊地知。「Come prima」とは音楽用語で「最初のように」の意で、初心に帰ろうとの思いを込めた。

 公演には毎回、地元の学生や合唱団員らも出演している。今回挑戦した原語での全幕上演は、出演者の技量、体力も必要とされるが「せっかくやるならストーリー全てを知ってもらいたいし、原語ならではの美しい響きに触れてほしかった」(伊地知)と真摯(しんし)に語る。

 グループ代表の岡部は「私たちが原点回帰して歌うことで、敷居が高いと思われがちなオペラのファンが徐々に増えているよう。次の公演を楽しみにする声にも応えたい」と話す。母校は倉敷市へ移転したが、学んだ人たちの思いは今も津山にしっかりと根ざし、地域の音楽を支えている。

(2019年09月16日 11時05分 更新)

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