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がん闘病 少女の遺作絵本出版を 岡山大病院の保育士ら出資者募る

病床で笑顔を見せる翔華さん。最後になった今年の年賀状用に撮影した
病床で笑顔を見せる翔華さん。最後になった今年の年賀状用に撮影した
足形を押して描いた「そらまめさん」と5人の子どもたちが楽しそうに弁当を広げる場面
足形を押して描いた「そらまめさん」と5人の子どもたちが楽しそうに弁当を広げる場面
 小児がんのため今年1月、12歳で亡くなった森上翔華(しょうか)さん=福山市=が描いた絵本「そらまめかぞくのピクニック」を刊行しようと、闘病を支えた岡山大病院(岡山市北区鹿田町)の看護師、保育士らがクラウドファンディング(CF)で出資者を募集している。10月1日までに150万円を集め、千部を作製する計画で「希望や元気を与えてくれる絵本を多くの人に読んでもらいたい」と協力を呼び掛けている。

 出版を目指しているのは小児科病棟保育士の辻仁美さん(32)や看護師ら4人。

 辻さんは昨年7月ごろ、翔華さんが折り紙に小さく描いたソラマメのキャラクターを見て絵本作りを勧めた。完成した手作りの絵本を遊戯室などに置くと、読んだ患者家族や職員から「温かい気持ちになった」といった感想が寄せられたという。

 絵本は表紙を含め9枚の絵で構成。主人公の「そらまめさん」が5人の子どもと一緒に花に囲まれたグラウンドで弁当を食べ、スカイダイビングを楽しむ明るい物語になっている。強い痛みがあった翔華さんは、足の裏に絵の具を塗り、足形を押してそらまめさんを描いた。

 翔華さんは5歳の時に左足に腫瘍ができ、手術したものの再発、転移を繰り返した。抗がん剤の副作用で髪が抜けたり嘔吐(おうと)したりしても、仮装して病棟をパレードするなど笑顔を絶やさなかった。辻さんは「そらまめさんは、いつも元気をくれた翔華さんそのもの」と言う。

 父弘典さん(45)も「絵本によって、最後までたくましく生きた人生を残すことができる。読んで元気が出たという子がいれば、翔華もきっと喜ぶ」と出版を心待ちにしている。

 CF大手の「レディーフォー」ホームページで「そらまめさんの絵本製作プロジェクト委員会」を探せば出資できる。額に応じて、製本した絵本などの返礼品を受け取れる。

(2019年09月12日 22時40分 更新)

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