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血管手術訓練用の模型ロボ増産へ ファイン・バイオメディカル

ファイン・バイオメディカルが製造を本格化する人体模型ロボット
ファイン・バイオメディカルが製造を本格化する人体模型ロボット
 医療系ベンチャーのファイン・バイオメディカル(岡山市北区芳賀)は、カテーテル(細管)を使った血管内手術のトレーニング用人体模型ロボット製造を本格化する。手術のシミュレーションといった医師らの技術向上のため国内外の病院や大学で採用が増えており、3年をめどに量産体制の構築を目指す。

 トレーニング用ロボットは、コンピューター断層撮影装置(CT)で撮った患者の画像データなどを基に、血管をシリコンで精密に再現。内径1ミリ前後の血管に実際の手術と同じように大腿(だいたい)部からカテーテルを入れ、血栓を取り除くシミュレーションなどができる。専用ポンプで血液を模した液体を流し、血流も確かめられる。価格は1体1千万円程度。

 カテーテル手術は、脳梗塞や心筋梗塞など血管疾患の主要な治療方法として知られている。手術には精度の高い技術が求められ医師の訓練が必要だが、同社によると、練習台となる模型は主要な血管で構成する簡素なものが多いという。

 同社のロボットは2005年に津山市出身の池田誠一社長(41)が名古屋大などと共同で開発。同年から「イブ」の商品名で販売し、約150台を国内外の大学や医療機器メーカーに出荷してきた。カテーテル手術の普及で、高齢化が進む国内や新興国など海外で引き合いが増えていることから、増産体制を整える。

 名古屋市のインキュベーション(起業支援)施設から4月に移転した岡山リサーチパークインキュベーションセンターに、従来の約2倍となる生産スペースを確保。これまでは大半を手作業で行っていたシリコン製血管の製造工程を一部自動化する設備などを導入し、生産能力を現行の10倍の年間約100体に引き上げる。シリコンに電子回路を組み込んで血管内の圧力を瞬時に測定できる機能向上も図り、年間売上高10億円を目指す。

 池田社長は「医療現場の技術向上を後押しできる製品として、岡山から世界へ発信したい」と話す。

 ファイン・バイオメディカルは05年設立。資本金550万円。売上高7千万円(18年9月期)。従業員5人。

(2019年08月24日 15時44分 更新)

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