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骨髄検査の練習キット開発 岡山大病院の西森助教ら

骨髄検査の練習用キットと、開発した西森助教
骨髄検査の練習用キットと、開発した西森助教
 岡山大病院の西森久和助教(血液腫瘍・臨床腫瘍学)は、国内トップのコルクメーカー・内山工業(岡山市)と共同で、白血病など血液のがんの診断に不可欠な「骨髄検査」の練習用キットを開発した。コルクと樹脂を使ってお尻の骨に針を刺す感覚を再現し、骨髄液や骨髄組織を取り出す手技をシミュレーションできる。既に商品化されており、若手医師らの教材として活用が期待される。

 骨髄検査に初めて臨む医師は通常、指導医の手技を目で見て覚える教育を受けており、事前に実技を学ぶ機会は乏しいという。練習用の素材としてリンゴや木材を使う場合もあるが、柔らかすぎたり硬すぎたりして一長一短がある。

 西森助教は研修医のころ、練習なしで検査に臨んで戸惑った経験があり、キットの開発を思いついた。針が骨髄を刺した時の感覚に似た素材を求めてホームセンターを幾つも巡り、コルクが最適と判断。岡山大研究推進産学官連携機構に内山工業を紹介されて共同開発し、4月に製品化した。

 骨髄組織として厚みや密度が最適なコルクを選定。骨髄を覆う骨の部分を硬い樹脂で再現した。キットはコルク製のカートリッジ(縦と横が各10センチ、高さ8センチ)を固定台にはめ込んで使う。カートリッジは50回ほど刺すことができ交換可能。特許申請している。

 病気診断のため組織の一部を採取する「生検(せいけん)」などにちなみ「骨髄戦士セイケンジャー」と命名。同社が医療機器の見本市や展示会を通じて販売している。

 西森助教は「若い医師がキットで練習を重ねて手技に自信を持ってもらうことは、安全安心な検査につながる」と言い、内山工業は「人体の模型にキットを組み込み、より実際の検査に近い練習ができる製品も開発したい」としている。

(2019年08月23日 23時02分 更新)

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