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日本の首都を東京から岡山県の吉…

 日本の首都を東京から岡山県の吉備高原に移転する―。こんなテーマのフォーラムが先日、吉備中央町で開かれた。あまりにもとっぴな印象を受けるが、主催したのはお堅い行政である町だ▼玉野市出身の作家・高嶋哲夫氏が自作の小説「首都崩壊」に基づき講演した。首都直下地震による大混乱が世界恐慌の引き金にもなりかねないと警鐘を鳴らし、東京一極集中の是正にもなる首都移転を訴えた。小説での移転先は吉備中央町を含む吉備高原である▼2年前に松山市であった日本地質学会でも、「首都を移すなら吉備高原がいい」といった提案がされている。地震などの災害リスクを地質学的に検討した▼その具体的な内容について、提案者の1人でNPO法人・地球年代学ネットワーク(岡山市)の板谷徹丸理事長がフォーラムで説明した。理由は固い地盤だ▼標高300~700メートルの吉備高原は3400万年前からの地層が、地震や火山活動による変動を受けずに残っていることが近年明らかになってきた。地震列島の日本で、これほど広大で安定した地盤は極めてまれという▼首都移転の話に引っ張られがちだが、肝心なのは、安全性が高いと科学的に示された貴重な土地が地元に広がっているという事実だろう。企業などが投資をするにしても安心である。さて、どう生かしていくか。

(2019年08月19日 08時00分 更新)

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