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岡山の民謡 「かるた」で紹介 本紙夕刊連載基に難波教諭製作

42年前の本紙連載を基に、岡山の民謡を紹介するかるたを作った難波教諭
42年前の本紙連載を基に、岡山の民謡を紹介するかるたを作った難波教諭
岡山の民謡を紹介するかるた
岡山の民謡を紹介するかるた
1977年の本紙夕刊に連載された「民謡のふるさと」
1977年の本紙夕刊に連載された「民謡のふるさと」
野上義臣さん
野上義臣さん
 42年前の本紙夕刊に連載された、岡山で歌い継がれる民謡を紹介した企画「民謡のふるさと」を基に、岡山市立桑田中の難波純一教諭(54)がかるたを製作した。取り札に歌詞を載せ、読み札代わりに連載時に採録した“生の歌声”を流す、ぜいたくな内容だ。今では歌われなくなった曲もあり、難波教諭は「岡山の貴重な文化遺産であり、授業をはじめ広く活用していきたい」と話している。

 連載は1977年1月に始まり、中国山地の木びき歌から塩田の浜子歌まで50曲を取り上げた。曲の採譜には、戦後岡山の音楽界をけん引した作曲家野上義臣さん(99年死去)が協力。取材地で実際の歌声を聞くなど、譜面にして毎回掲載した。

 野上さんは生前、関係資料を教え子で音楽教諭だった高橋治子さん(70)=倉敷市=に託しており、高橋さんの教え子で野上さんの指導も受けた経験がある難波教諭が受け継いだ。

 難波教諭は教務や吹奏楽部の指導の合間を縫い、譜面やスクラップ類のデジタル化を進めてきたが、貴重な資料により手軽に触れてもらおうと昨年、かるた作りを思い立った。

 完成したかるたは、取り札の表に曲名と歌詞、連載で使われた風景写真を載せ、裏には曲の由来や概要を印刷。牛市へ向かう仲買人らが道中口ずさんだ「牛追いかけうた」(新見市千屋)、カーン、カーンと石を切るのみの音で始まる「石屋ぶし」(笠岡市北木島)など43曲で構成する。

 当時の歌声も希少性が高く、かつて製鉄業が盛んだった西粟倉村の「たたらうた」、新年を祝い豊漁を祈った瀬戸内市牛窓地区の「正月うた」など、音源がほとんど残っていない曲も含まれる。

 野上さんと親交のあった菱川欣三郎岡山大名誉教授(作曲)は「社会の変化や機械化で消えていった労働歌なども多く、大変貴重な取り組みだ。民謡には人を励ます力があり、かるたを通じて今の子どもたちにも響くのでは」と期待する。

 難波教諭は「野上先生が残した貴重な資料を生かせるよう、興味を持ってくれた人と協力して、かるたの普及やさらなる活用法を考えたい」と話している。

 野上義臣(のがみ・よしおみ) 1916年、岡山市出身。岡山県師範学校卒業後、公立中教諭などを経て岡山県立短大教授、美作女子大・同短大部教授など歴任。岡山市民歌「はばたく岡山」や小中学校歌を多数作曲し、山陽新聞賞、岡山県文化賞受賞。著書に「おかやまの民謡」など。

(2019年08月18日 23時45分 更新)

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