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真備に浸水域が12時間かけ拡大 岡山大の前野教授らが動画で再現

真備に浸水域が12時間かけ拡大 岡山大の前野教授らが動画で再現
 昨年7月の西日本豪雨で河川が氾濫し、甚大な浸水被害が起きた倉敷市真備町地区を現地調査している岡山大大学院の前野詩朗教授(河川工学)らの研究グループは、浸水エリアが広がっていく様子をシミュレーション動画で再現した。堤防が決壊した地区の中央部から東部に向けて12時間ほどかけて浸水域が拡大したことが確認できる。

 真備町では東西に流れる小田川とその支流の高馬川、末政川、真谷川で計8カ所の堤防が決壊し、町域の3割に当たる1200ヘクタールが水没した。前野教授や赤穂良輔准教授らは小田川や高梁川の水位計などから決壊現場の水位変化を割り出し、越水や破堤の時間を推定。地盤の高さや建物の分布も考慮して浸水の広がるスピードを計算した。

 シミュレーションによると、浸水が始まったのは昨年7月6日午後11時ごろで、地盤が低い上に、堤防の切れ目を板でふさぐゲート「陸閘(りっこう)」が閉められなかった末政川の有井橋(同町有井)付近から水が住宅地に入り始めた。約1時間後に末政川や高馬川が相次いで決壊し、大量の水が流れ込んだ=写真(上)

 7日午前3時すぎには小田川の決壊によって、同町箭田付近の住宅地は5メートルを超える深さまで水に漬かり、同6時すぎになると、その水が末政川を乗り越えて対岸の真備町東部へ浸水範囲を広げていった=写真(中)。午後1時半ごろには、真備町の低地はほとんどが水に漬かっていたという=写真(下)

 真備町では豪雨時、東部を南北に流れる本流の高梁川が増水し、そこに流れ込む小田川の水がせき止められるバックウオーター現象が発生しており、動画でもその影響で小田川の水位が下流側から上昇していった様子が示されている。

 動画の内容は、地区内の水門に設置された水位計のデータや、前野教授らが被災後に160カ所で調査した浸水の痕跡などとおおむね一致しているという。

 前野教授は「シミュレーションによって道路が浸水していく過程が分かる。今後真備町地区が被災した場合、住民がどういった経路で避難すべきかの検討に役立てたい」と話している。

(2019年08月11日 22時09分 更新)

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