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上山棚田の夏 3大「すごい」 暮らしで感じる楽しみや苦労

畑で収穫できるトマト
畑で収穫できるトマト
草刈り後の棚田
草刈り後の棚田
草刈り後の棚田。見ていてとても爽快です
草刈り後の棚田。見ていてとても爽快です
夏祭りの花火
夏祭りの花火
 美作市の上山棚田では田植えから約2カ月がたちました。水が張られた田んぼは、だんだんと成長した稲の緑の色が濃くなりました。同時に家や田畑の周囲の草も、ものすごい勢いで伸びます。草刈りした1週間後には、見間違いかと思うぐらい伸びてきていることもあります。いずれにしても「成長を感じる夏」です。そんな初夏から本格的な夏にかけての田舎暮らしの「すごい」を紹介します。

①作物がすごい


 春に植えた夏野菜の苗は、6月後半から7月になるとどんどん実ってきます。今年はトマトなどは梅雨が終わるまでなかなか赤く熟れることはなかったですが、晴れ間が増えるごとに実りが良くなってきます。6月に植えた稲は日を追うごとに成長し、はじめは1株当たり2~3本だった稲が20~30本近くに増えています。この稲や野菜の成長速度には毎年驚き、その勢いに元気をもらいます。

 家の周りで育ったトマトやキュウリ、かぼちゃなどを食べると満足感も得られます。近所からもらったスイカは冷やしておいて、農作業後に切ってみんなで食べると格別においしいです。ほか管理している土地に生えてくる野草も豊かです。最近は「イノコヅチ」という草を時々お茶にして飲みます。イノコヅチは関節痛改善、腰痛改善、神経痛改善の効能があるとされています。イノコヅチ5~10グラムを水700ccくらいの中に入れて弱火で15~20分抽出すると飲むことができます。家の周りにある野菜や野草を食べることで身体を元気にしていくことができるのは楽しいです。

②湿気がすごい


 古民家はとても湿気がたまります。梅雨が明けるまでは湿度80%以上の日が長く続くので、洗濯物は乾きませんし、部屋の中がカビっぽくならないように気をつける必要があります。住み始めて数年たつので、少しずつ対処法は会得していますが油断はできません。晴れ間がのぞいたら、すかさず換気。ほかにも除湿機を導入したり、布団乾燥機で洗濯物を早め早めに乾かしたりしています。湿気対策を毎年改善していくことが快適に過ごす方法としてとても大事です。ただ、岡山市内などと比べると湿気はありますが、朝晩は涼しい。寝苦しさはあまりありません。

③草の伸び方がすごい


 なによりしんどいことは草が良く伸びることです。2~4週間に一度は草刈りをしないと、すぐに家の周りや畑も草で覆われてしまいます。特に6月後半から7月は草が伸びる勢いはすごく、刈った翌日には数センチほど生えてきている気がします。田んぼや野菜を植えた畑をどうやって草から守るか。生活に直結するだけにとても重要です。すぐに草に埋もれてしまい、せっかくできたキュウリなどが手遅れになってしまうこともまだあります。私自身も草刈りをしている時間を数えてみると、農繁期に1カ月当たり最低40~50時間以上。早く、楽に、効率をあげていくことも田舎暮らしを快適に過ごすためにはとても大事です。

 草刈りをした後の景色は、とても爽快感があり、気持ちがよいものです。この棚田の景色をずっと守ってきた地元の方も同じ思いを何十年もしてきておられるのだなと思うと、まだまだ頑張らなければなりません。家の周囲がササやススキなどで覆われていた私が住んでいる古民家も住み始めて数年たちました。きちんと管理することでフキ、ミツバ、イノコヅチ、ヨモギ、ヤブカンゾウなどなどさまざまな野草を取ることができるようになってきました。

 そして上山棚田に本格的な夏がやってきました。上山の夏といえば夏祭りです。今年も8月11日午後6時から大芦高原温泉「雲海」の駐車場で行います。焼きそばやフランクフルトの出店、抽選会や花火など楽しい企画で盛り上げますのでぜひお越しくださいませ。
詳しい情報はこちらをご覧ください。



梅谷真慈(うめたに・まさし) 奈良県出身。1986年生まれ。2011年、岡山大学大学院環境学研究科修了後、SNSをきっかけに関わりを持った美作市・上山地区に移住。棚田再生に取り組むNPO法人英田上山棚田団の理事を務めている。棚田団の活動は13年、日本ユネスコ協会連盟による「プロジェクト未来遺産」に登録、16年には農林水産物や景観などを生かした地域活性化の成功事例「ディスカバー 農山漁村(むら)の宝」(内閣官房など主催)に選ばれた。棚田団のホームページ(http://tanadadan.org/)でも発信中。

(2019年07月31日 15時13分 更新)

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