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船(小型船舶)の事故の責任について

船(小型船舶)の事故の責任について
 プレジャーボートや水上バイクなど、小型船舶でのマリンレジャーが楽しめる季節になりました。小型船舶は、わずかなミスで他の船や遊泳者、桟橋、養殖いかだなどへの衝突、転覆といった大きな事故を起こします。国土交通省の統計によれば、昨年1年間に全国でプレジャーボートと水上バイクを合わせて287件の事故が起こっています。

小型船舶で事故を起こした場合
刑事、行政、民事で責任問われる


 小型船舶の操縦者が事故を起こした場合、車の交通事故と同じように、①刑事上、②行政上、③民事上の3つの責任が問われることになります。

 まず①刑事上の責任として、事故の状況によっては海上保安官の取り調べを受け、その上で業務上過失往来危険罪や、業務上過失致死傷罪で処罰される可能性があります。

 次に②行政上の責任としては、操縦士に対する懲戒処分(免許取り消し、業務停止など)を行うため海難審判が開かれる場合があります。海難審判は刑事裁判によく似た方法で行われますが、裁判ではありません。海難審判所という特別な機関が行う特殊な手続きです。法律上はむしろ車の運転免許の取り消しや停止のための手続きに近いといえます。

事故の相手へ損害賠償義務
範囲は交通事故とほぼ同じ


 さらに操縦者は、③民事上の責任として、事故の相手に対して損害を賠償する義務を負います。損害の範囲は交通事故とほぼ同じで、修理費、治療費、休業損害、慰謝料などです。相手に落ち度があれば過失割合も問題になります。交通事故の場合は、過失割合について細かく基準を定めた本(赤本など)がありますが、小型船舶の事故の場合は、海上交通安全法、港則法、海上衝突予防法の3つの法律をもとに判断されることになります。海難審判が開かれた場合は、その結果も過失割合の参考にされます。

 このように小型船舶の事故の責任は、基本的には交通事故の場合と同じですが、詳しく見ると特殊な部分が多くありますので、小型船舶に詳しい弁護士に相談しましょう。

(2019年07月25日 12時54分 更新)

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