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7年8カ月の長期政権を誇った佐…

 7年8カ月の長期政権を誇った佐藤栄作は病で倒れる前日まで、40冊に及ぶ日記を残している。首相として臨んだ最後の参院選について1971年6月28日にこう記した▼「即日開票の結果は余りよくない。…これからの対策が骨が折れるらしい。一層引きしめて政局ととり組もう」。このとき自民は目標に遠く及ばず改選議席を下回った。その後、金・ドル交換停止のニクソン・ショックなどもあり、翌年の沖縄返還を花道に佐藤は退陣する▼大叔父の佐藤に倣って安倍晋三首相が日記をつけているかは知らないが、あればどう記すだろう。参院選で与党は堅調に議席を獲得。テレビでは今後の政権運営に自信を見せた▼有権者は「安定」を求めている―。そうとも映る結果だが、ぐずつく梅雨空のように盛り上がらない選挙戦だった。低迷した投票率をみても、与野党とも訴えがどこまで国民の腹に落ちたかは疑問だ▼「1強」の首相は来月24日に戦後最長の佐藤を抜いて在職2位に、11月には歴代最長となる。憲法改正や外交でレガシー(政治的遺産)づくりの動きが一層顕著になろう▼しかし国内外を見渡しても、予測不能の日米関係や日韓の対立、年金不安、消費増税対策など真っ先に取り組むべき課題ばかりである。焦らずおごらず、「一心に政策に取り組む」と日記には書いてほしい。

(2019年07月22日 08時00分 更新)

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