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参院選投票日 公約吟味し票に託したい

 令和最初の国政選挙となった第25回参院選は、きょう投票日を迎えた。17日間の舌戦を終えた候補者や政党にどんな審判が下るのか。有権者は公約や選挙戦での主張をしっかり見極め、より良い政治のために1票を託したい。

 今回は、6年半に及ぶ安倍晋三首相の「1強」政治の是非を軸に、憲法、年金制度や消費税増税といった暮らしに直結する政策などを問う選挙だった。

 45の選挙区で74人、比例代表で50人の計124議席を、370人の候補者が争った。岡山選挙区(改選数1)は3人、広島選挙区(同2)は7人、香川選挙区(同1)には3人が立った。

 選挙戦では与党の自民、公明両党が、これまでの実績と政治の安定をアピールして支持を訴えた。一方の野党は、消費税増税に反対して家計支援を掲げるとともに、安倍政権の政治姿勢などを批判した。立憲民主党など野党5党派は32の1人区全てで候補者を一本化し、改憲に必要な3分の2議席の阻止を図る。

 だが、論戦は全般的に盛り上がりに欠けた。政党や候補者の主張が有権者の心に響かなかった面は否めまい。

 与野党ともに景気への配慮を前面に打ち出した結果、年々膨らむ歳出の効率化や、社会保障制度の抜本改革などへの言及は乏しかった。国民が知りたいのは、マイナス面も示した上での政策の必要性や実現への道筋だろう。「地方創生」にしても、訴えの中に説得力ある手だては見いだしづらかった。

 気になるのは投票率である。過去2回の参院選は50%台の前半にとどまった。共同通信社の調査(14~16日)によると、今回「関心がある」との回答は68・3%だった。前回2016年の72・2%を約4ポイント下回った。関心度と投票率の相関関係は明確ではないが、低投票率にならないか懸念される。

 選挙を通じて政治の在り方をチェックする有権者の責任は重い。「投票しても変わらない」などと棄権すれば、政治の質は高まらない。

 将来を担う若者の投票行動も焦点だ。18歳選挙権導入後の前回参院選では10代が46・8%、20代が35・6%だったが、17年の衆院選では10代40・5%、20代33・9%と下がっている。

 若者を投票所や政治に近づける取り組みは増えてきた。高校での授業や模擬投票のほか、大学内への期日前投票所設置や、公募による立会人としての参加などである。人気芸能人が会員制交流サイト(SNS)などで投票を促し、反響を呼んでいるケースもあるという。

 人口減などに直面する日本の行く手には、難題が山積する。若者が政治や選挙にそっぽを向いたのでは未来は開けない。それぞれが重要と思うテーマを選んで吟味し、自らの思いを政治に吹き込んでもらいたい。

(2019年07月21日 08時00分 更新)

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