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NHKの朝ドラ「なつぞら」の東…

 NHKの朝ドラ「なつぞら」の東京編は広瀬すずさん演じる「奥原なつ」が夢だったアニメーターとして奮闘している。時代は戦後のアニメーションの草創期だ▼オリジナルのドラマだが、昨年亡くなった高畑勲さん=岡山市出身=や宮崎駿さんを思わす個性的な仲間が登場する。実際に2人はモデルとされる当時の東映動画でアニメ制作のスタートを切った▼高畑さんが振り返っている。「僕たちが幸せだったのは志を同じくする仲間がいたこと。語り合う仲間がいて、その中から作品が作りあげられていった」(キネマ旬報セレクション)。真っ白な紙の上に線をひいていく。そんなピュアな若者たちの志や才能が、現在の日本アニメの隆盛につながったのだろう▼志も、才能も、突然絶たれた人々の無念さに心がはり裂けんばかりである。ニュースが刻一刻と、増える犠牲者の数を伝える。京都市伏見区のアニメ制作会社のスタジオで凄惨(せいさん)な放火火災が起きた▼ガソリンのようなものをまいて火をつけた疑いで男が確保された。「死ね」と叫んでいたとの目撃情報もある。動機も状況も分からないことばかりだ▼アニメーションの語源はラテン語の「アニマ(魂)」だという。制作の現場は、膨大な数の絵や作品一つ一つに魂を吹き込む場であったろう。踏みにじった卑劣な犯行に言葉がない。

(2019年07月19日 08時00分 更新)

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