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AI活用、サル識別のアプリ開発 大阪大が真庭・神庭の滝で研究

AI活用、サル識別のアプリ開発 大阪大が真庭・神庭の滝で研究
神庭の滝で生活するニホンザル=2010年、大阪大提供
神庭の滝で生活するニホンザル=2010年、大阪大提供
 真庭市の神庭の滝でニホンザルの研究を続けている大阪大(大阪府吹田市)は、人工知能(AI)を活用して観察するスマートフォン用アプリを実現した。訪れた人がサルの写真を撮ると、名前や性別などの情報が分かる仕組み=イメージ図。観察開始から約60年間のデータや写真を活用し、サルの判定には人の顔認証と同様のシステムを使う。観察補助の真庭市職員が個体識別する際に使用。来年には一般客が使えるようにし、観光振興につなげる。野生での取り組みは全国初という。

 神庭の滝は自然公園内にあり、大阪大は野生のサルの餌付けに成功した1958(昭和33)年から、1匹ずつサルの顔と名前を記録。母系の血縁関係が8世代前までさかのぼれるほか、現在群れにいる148匹の性格、親しいサルなども把握し、1匹につき約400枚の写真を蓄積してきた。

 2016年から岐阜大の技術協力を得て開発に着手。5歳以上の大人のサル66匹のデータをAIに覚え込ませ、既存のシステムを活用するなどしてスマートフォン用のアプリを実用化した。見つけたサルをスマホで撮影し、大学のサーバーに送信すると、AIが名前を返信してくる。精度は90%を優に超えるまでに高まっている。設定を変更すれば名前などのほか、サルの性格が一文で表示されるようにでき、観光客が利用することでより楽しく観察できるようになるという。

 計画では、さらに臨場感が味わえるよう肉眼と同じような感覚で見られる透過性VR(バーチャルリアリティー)眼鏡に搭載する準備を進めている。サルの顔に照準を合わせると、名前と性別、年齢、群れでの順位などが文字で、協調性や好奇心といった性格を多角形の図表(レーダーチャート)で表示する。データ更新して新しい個体を登録することも可能だ。

 開発を担当する山田一憲講師(40)と上野将敬助教(33)は「個性を目で見ることができればサルに親しみが湧く。地元とも協力しながら、地域の誇りを再確認し、観光資源としての魅力向上に貢献したい」と話している。

(2019年07月11日 23時18分 更新)

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