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参院選の女性候補 均等への努力が足りない

 今回の参院選の候補者に占める女性比率は3割に満たなかった。

 昨年5月に男女の候補者数を均等にするよう政党に求める「政治分野の男女共同参画推進法」が成立してから初めての大型国政選挙であり、女性の割合が注目されていた。

 候補者全体に対する女性比率は28・1%で過去最高を更新した。だが、「男女均等」への道のりはあまりに遠いと言わざるを得ない。

 今年1月時点の国会議員における女性比率は衆院10・2%、参院20・7%。組織や集団で少数派の比率が30%を超えると、意思決定が変わり始めるとされ、政府は2020年までに「指導的地位に占める女性の割合」を30%にする目標を掲げている。

 議員を選ぶのは有権者だが、選択肢になければ女性議員が増えようもない。議員立法で全会一致で成立した推進法は、選挙の候補者数を「できる限り男女均等」にするよう、政党などに数値目標を定めるなどの努力義務を課す。

 今回の参院選候補者の女性比率を政党別でみると、自民党14・6%、公明党8・3%、立憲民主党45・2%、国民民主党35・7%、共産党55・0%、日本維新の会31・8%、社民党71・4%だった。主な野党は女性擁立に積極的に動き、3年前の前回参院選に比べて女性比率を高めたが、与党の自民党は前回に比べて1・8ポイント減、公明党も4・2ポイントの減となった。

 現職の男性候補が多いという与党が抱える事情は理解できる。しかし、自民、公明両党は女性擁立に向けた数値目標の設定すら行わなかった。前回参院選よりさらに女性比率が低下した状況をみれば、努力を怠ったと批判されても仕方あるまい。

 日本記者クラブで3日に開かれた党首討論会で女性比率について問われ、自民党総裁の安倍晋三首相は「努力不足と言われても仕方がない」と述べた。今後について「次の選挙で20%以上にしていくべく努力していきたいが、(次の参院選は)総裁任期を超えるので確たることは言えない」と述べるにとどまった。

 安倍政権は女性活躍推進を掲げながら、足元の政治分野では女性の参画が一向に進んでいないのが現状だ。18年の各国議会の女性比率に関する報告書で日本は193カ国中165位だった。候補者や議席に占める女性割合を一定以上にする「クオータ制」を導入する国に追い抜かれ、順位は下がる一方である。

 クオータ制は既に130カ国以上で導入され、比例の候補者名簿を男女交互に並べるよう義務付けたり、女性候補を増やさない政党の助成金を減らしたりする国もある。日本の推進法は罰則のない理念法だ。今後も状況が改善されないなら、義務付けなどの導入も検討せざるを得まい。

 女性の政治参画やその環境整備について、参院選においても議論を深めたい。

(2019年07月09日 08時00分 更新)

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