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クールに楽しもう、夏の日本酒!  ロックや炭酸水割りでアレンジも

ロックで飲んだり、炭酸水などで割ってみたり。アレンジのバリエーションが増えれば、日本酒はもっと身近な飲み物になるはずだ。
ロックで飲んだり、炭酸水などで割ってみたり。アレンジのバリエーションが増えれば、日本酒はもっと身近な飲み物になるはずだ。
 遅い梅雨を迎え、それまでのからっとした天候が嘘のような蒸し暑い日々が続いている。こんな日は日本酒党の私でさえ「ビール!」と叫びたくなる。キリリと冷えたビールは、喉を通る時の爽快感がたまらない。

 一方日本酒は、鼻で香りを感じ、舌で甘味や旨味、苦味や酸味といった複雑な味わいを楽しむ飲み物。夏の暑い時季には「重い」と敬遠されがちだが、ガラスの酒器に冷酒を注ぎ、鮎の塩焼きや鱧(はも)の湯引きなどの旬の一品とともにくいっと飲めば、ビールとはまた違う清涼感が堪能できる。最近は口当たりが軽やかですっきりとした味わいの“夏酒”が多数お目見えしており、飲み比べるのも楽しい。

 たとえば、毎年この時期に必ずといっていいほど飲む大典白菊(白菊酒造=高梁市)の「夏吟醸」は、アルコール度数14%のライトに味わえる1本。フルーツ様のやさしい吟醸香とさらりとした飲み口で、キンと冷やせばつい盃が進んでしまう。先日あるところでいただいた酒一筋(利守酒造=赤磐市)の「夏純吟」も、この時期人気の限定酒。味にボリュームがある一方でシャープな酸が爽快感をもたらし、しっかりとした味付けの料理も受け止める。辻本店(真庭市勝山)の「GOZENSHU9(NINE)」シリーズからは、夏季限定のブルーボトルが人気。「菩提酛(ぼだいもと)」と呼ばれる昔ながらの製法で造った純米酒を生のままじっくりと熟成させることで、みずみずしさと豊かなコクが味わえる。チーズとの相性も抜群だ。

 “夏酒”ではなくても、ちょっとしたアレンジを加えるだけで涼感が楽しめる。たとえば、グラスに注いだ酒に氷を少量入れるだけで、冷蔵庫で冷やした酒とは一味違う飲み口に。氷が溶けることで酒のアルコール濃度が下がり、よりさっぱりとした風味にもなる。ただし、氷を入れすぎるとかえって水っぽくなるので気を付けて。

 冷たい炭酸水やジンジャーエールなどで酒を割り、シュワっとしたのど越しを楽しむのもおすすめ。1:1を基本に、好みに合わせて量を調節してみよう。個人的には酒にライムやレモンの果汁を落とすのがお気に入りだ。量は1~2滴で十分。果汁の量が多すぎると、せっかくの日本酒の風味がマスキングされてしまうのでご注意を。

 日本酒も好きだけど、ビールの喉越しもたまらないという人には、にごり酒×ビールの組み合わせはどうだろう。こちらはにごり酒1に対してビール1~3くらいの割合をベースにお好みでどうぞ。

 最近はこうした楽しみ方を提案している蔵元も多く、せっかく買った酒が飲みきれないという人にもおすすめだ。選んだ酒によっては、さらにおいしい飲み方があるかもしれない。自由な発想で、ぜひ夏の日本酒を満喫しよう。

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 市田真紀(いちだ・まき) 広島市出身の日本酒ライター。最近の主な活動は、日本酒業界誌『酒蔵萬流』の取材執筆や山陽新聞カルチャープラザ「知る、嗜む 日本酒の魅力」講師など。このほか講演やイベントの企画・運営を通して、日本酒や酒米「雄町」の認知拡大を図っている。夏は田んぼ、冬季は蔵が取材フィールド。たまに酒造り(体験・手伝い)。SSI認定きき酒師、同日本酒学講師。J.S.A SAKE DIPLOMA取得。1970年生まれ。

(2019年07月03日 11時45分 更新)

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