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構想25年 倉敷駅南の再開発始動 既存建物解体、複合ビル建設へ

再開発ビルのイメージ図。2棟の間には倉敷中央通りと倉敷一番街商店街を結ぶ歩行者専用道路が整備され、市中心部の回遊性が期待される
再開発ビルのイメージ図。2棟の間には倉敷中央通りと倉敷一番街商店街を結ぶ歩行者専用道路が整備され、市中心部の回遊性が期待される
仮囲いで覆われ、解体工事が進む再開発エリアの倉敷一番街商店街側
仮囲いで覆われ、解体工事が進む再開発エリアの倉敷一番街商店街側
再開発事業の区域
再開発事業の区域
 JR倉敷駅南の倉敷市阿知3丁目東地区の再開発事業で、6月から既存建物の解体工事が始まった。住民発案の構想から25年。紆余(うよ)曲折を経て目に見える形で事業が動きだした。9月中旬からはホテルやマンションのビル建設に入り、2021年6月には中心市街地に新たな顔が誕生する。

 再開発エリアは、倉敷中央通りと倉敷一番街商店街に挟まれた約1.7ヘクタール。飲食店や金融機関の入り口には移転や閉店を知らせる張り紙が出され、仮囲いで覆われた商店街側では建物を取り壊す重機の音が響く。

■観光都市らしく

 計画では、北側に7階建てのホテル・商業施設棟(延べ1万840平方メートル)、南側に10階建ての分譲マンションや医療モール、駐車場(同2万9225平方メートル)を新設。中央には歩行者専用道路を設ける。

 ホテルは152の客室があり、ビジネス客をはじめ外国人やシニア層の観光客をターゲットに据える。コンベンションに活用できる宴会場も設ける予定で、運営する倉敷ステーションホテル(同所)の小橋康伴社長は「観光都市にふさわしい施設でまちを盛り上げたい」と意気込む。市街地再開発組合によると、マンションは171戸。ファミリーや高齢、単身者向けなど多様な19タイプの間取りをそろえる。ほかに高級外車のショールームや飲食店の出店も決まっている。

■白紙から検討

 「ようやく日の目を見た」。再開発組合の内田耕太郎理事長は感慨深げに振り返る。

 同地区は、幹線道沿いに金融機関などが立ち並ぶ駅南の一等地にありながら、内部は狭い路地が入り組み、老朽化した木造住宅や商店が密集。住民の高齢化や商店街の不振で空き家・店舗が目立ち、防災上の対策も課題だった。

 1994年、住民が活性化に向けた「まちづくり協議会」を結成。2002年には再開発準備組合を立ち上げ、高層マンション建設などを目指したが、事業の採算性や景気低迷で繰り返し計画案の再検討を迫られた。保留床の売却を巡っては地権者である市との協議も難航。白紙から練り直して市の都市計画決定を取り付け、18年3月に本組合設立にこぎ着けた。

■回遊性向上へ

 倉敷駅周辺の再開発は、1980年の駅南東西ビル以来となる。総事業費157億円のうち、国と市で約71億円を補助。市は、南棟に立体駐車場や交流スペースを設ける計画で、中心市街地の回遊性向上に期待を寄せる。

 内田理事長は「にぎわいを取り戻し、人と人との新たなつながりが生まれるような拠点にしたい」と話す。

(2019年06月25日 18時02分 更新)

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